共通テスト「公民」に奇異な問題は出題されない 「倫理、政治・経済、現代社会」はこう攻略する
大学入試をめぐる変化
この記事を読んで下さっている方の中には、大学受験を控えたお子様をお持ちの方も多いと思います。まずは、大学受験をめぐる保護者世代と現在の大きな変化について簡単にお話しさせていただきたく思います。
全体的にみて、昔に比べて大学は入りやすくなっています。周知のとおり、日本では大変な少子化が進行しています。一方、大学の数は増加しています。私立大学の新設が多いことは印象強いと思いますが、公立大学の数も平成元年の39校から令和元年は93校に増えています(『学校基本調査』資料)。また、多くの大学が学部を増やしてきました。
大学を受験する人の割合が増えたとはいえ、やはり「受験戦争」は緩和しています。もちろん、東大、京大、国公立大学医学部医学科などを中心とした難関大学・学部が狭き門であることは変わりません。それにしても、保護者世代ほどではなくなったことを実感します。
また、新しい時代に対応できる人材を確保するため、そして少子化に伴い大学側も選抜に「手間をかける」ことができるようになったことなどから、「1点きざみの入試」から、より中学校や高等学校での活躍全体を評価してもらえる入試が増えました。
私が勤務する学校でも、子どものころから英才教育を受けていたわけではない、入学時ごく普通の子だった生徒が、大学受験予備校などに通うことなく東京大学の法学部に推薦入試で合格しました。彼女は、高校3年生の夏まで学校行事を率先してリードしていました(センター試験は9割弱の得点でした)。大学入試のために「青春を犠牲にする」必要は必ずしもなくなったと思います。
入試制度の変化に不安を覚え、志望校を諦めてより安全な学校を受験した生徒が2019年度は多く、大変残念でした。単純暗記や4択のテクニックだけで高得点を取れなくなる点では難化するといえますが、基礎知識が固まっていれば必要以上に恐れる心配はありません。今は諦めるときではなく、より高みを目指すべきときです。
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