ブランド流、最強バイヤーのつくり方 なぜ、バイヤーにコミュニケーション能力が必要なのか?

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では、何でもかんでも売れるものをそろえればいいのか、というとそうではありません。中身は何でも、巷で流行っているものをかき集めて店をつくれば、それなりに売れそうですよね。ですが、そんなことをしてしまったら、本来のお店のテイストや個性が消えてしまい、長期的にお店のファンをつくることはできません。

そこで登場するのが、”カリスマバイヤー”と呼ばれる人達です。お店やブランドの個性が十分に出るよう、差別化したバイイングが行えて、かつ売れる商品をしっかり見極められる。そんなスーパーな買い付けができる人を”カリスマバイヤー”と呼びます。そして”カリスマバイヤー”ともなると、その人気や影響力、卓越したセンスなどの才能も含め、その人の存在自体が売り上げに貢献する、ということも少なくありません。

ショップによってバイイングが違う理由

さて、先ほどお伝えしたように、バイイングというのは単純に感性だけの話ではありません。とはいえ、人が行うことですから、多少の好みや勘が入ることは否めません。ですが、皆さんの想像以上に、緻密な計算や分析を基に行われています。

そして、バイイングに不可欠なのは、その店でどのようなモノがどれくらい売れるか、という基本情報です。そのために、顧客分析、色やサイズまで落とし込んだ商品ごとの売り上げ動向、エリアや周辺環境の把握、イベントなど、あらゆることを考慮します。加えて、ブランドのイメージ、シーズン毎の商品構成(テーマ)、店舗の広さ(一度にディスプレできる型数)、商品の納期、予算など、さまざまな条件をジグソーパズルのように組み合わせる、ということが行われています。

ところで、バイイングには、2つのパターンがあります。ひとつは、セントラルバイイングと呼ばれるもので、これは、本社にいるMDバイヤーの専門職が、各店舗のオーダーをまとめて発注するもの。どちらかというと大きな組織やトップダウンの傾向が強い外資系ブランドでよくみられます。もうひとつは、各ショップのスタッフがバイイングをするもの。この場合は、より実態に則したリアルな買い付けができますが、ブランドイメージの管理や効率面での問題もありますので、比較的小さい規模の場合が中心となります。

今回、ここまで細かく説明した背景には、先日、読者の方から「同じブランドの商品なのに、海外と日本で品ぞろえが全然違うのはどうしてでしょうか」という質問があったからです。

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