この「ファッション! インサイダーストーリー」も、早いもので10回目となりました。ファッション業界の現場や仕組みなど、ちょっとした裏話をご紹介し、読者の皆さんにもっとファッションを身近に感じていただきたい、というコンセプトで始まったのが本連載。
というのも、ファッション業界は、面白くて魅力的な部分が多分にあるのですが、一方で、とっつきにくい部分があるのも事実です。なので、もっとファッションを身近に感じていただき、そのすばらしさを少しでもお伝えできればと思います。そして、これがおしゃれを楽しむちょっとしたきっかけになれば幸いです。
ブランドの明暗を決めるデザイナー
さて、今まで、ファッションショーやファストファッションなど、さまざまなトピックについてお話しました。今回は、ファッションブランドの代名詞とも言うべき、デザイナーについてお話したいと思います。その豊かな才能と人気で、クリエイティブな側面からブランドを支え、今日のラグジュアリーブランドにおいて欠くことのできない存在が、デザイナーです。
基本的に、ファッションブランドというのは、デザイナーの創り出す服や世界観が評価され、ビジネスとして成長していくものです。ですが、シャネルやディオールなど、老舗の一流メゾン(ブランド)になると、デザイナーがすでに他界、あるいは引退していて、現在はほとんどが雇われデザイナーです。ですから、現代におけるデザイナーのサクセスストーリーは、自分のブランド(シグニチャーブランドといいます)を成功させるか、あるいは、一流メゾン(ブランド)のデザイナーとして、そのブランドを成功に導くか、の2つのパターンがあります。
では、ここで現在のファッション業界で名実ともにトップに君臨する、ビック3をご紹介しましょう。読者の皆さんも、ご存じの方が多いと思います。
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