前回、「少し堅苦しいかな?」という不安を抱えながらも、イノベーターやキャズムといった理論を用いて、ファッショントレンドを説明させていただきました。結果、意外にもファッション業界の方(まさに、インサイダー)からの反響があり、うれしい誤算でした。
さて、今までにも何度かお話しましたが、結局、「これがモードだ、トレンドだ」と提案しても、みんながブランドの最新トレンドの服を買うわけではありません。むしろ、そこまで興味がないという方も大勢います。
そして、これは何もファッションに限った話ではありませんが、ビジネスとして“ファッション”(高級ブランドから国産アパレルまで)をとらえるときには、ある程度、明確に消費者のポジショニングを把握する必要があります。なぜなら、そのポジションの違いをカテゴライズして考えたほうが、マーケットの全体像を把握するうえでは、わかりやすいからです。反対に、そこを一口に“ファッション”という言葉でくくってしまうと混乱が起きやすく、誰に向けた服なのかが不明瞭になります。
そんなことを踏まえたうえで、今回は、アーリーマジョリティの人をターゲットにしたファストファッションが、なぜここまで大成功したかについて、お話したいと思います。
ファストファッションの王者、ZARAとH&M
皆さんは、“ZARA”や“H&M”というブランドをご存じでしょうか。
実際にお店で買物をしたことがなくても、名前だけは聞いたことがあるかもしれません。実は、両ブランドとも1兆円を超える規模の世界的大企業のブランドで、ファストファッションのトップ1&2です。
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