もはや”一大文化”。インスタグラムが熱い フェイスブック傘下の写真共有サービス

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 本連載は、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンに関するトピックをひとつないし複数採り上げながら、米国・シリコンバレーを中心とするIT事情を定点観測的にお伝えしていく。 今回は、前回に引き続き写真の話だ。Instagramはスマートフォンで急速に発展した写真加工・共有アプリで、フェイスブックに買収されたことでも知られる。米国を中心に、ビジネスや報道の分野でも活用されるこのサービスを考えていこう。
新サービスを発表する、インスタグラム共同創業者のケビン・シストロム氏

「インスタグラム」が動詞に

インスタグラムは、モバイルアプリの中でも非常に成功したアプリのひとつだ。米国のテレビでは、ツイッターと並んで、セレブが投稿したインスタグラムの写真やビデオが番組内で引用されることは日常茶飯事となった。月間アクティブユーザーは1億5000万人を数え、フェイスブックによる買収後も、独立した発展を遂げている。ちなみに筆者は毎日インスタグラムに写真を投稿しており、非常に好きなアプリサービスとなっている。

アクティブユーザー数やフェイスブックによる買収といった数字やファイナンス面での成功も目を引くが、「Instagram」が動詞になったことは、数字面での成功に代えがたい出来事だ。すなわち、写真を撮影・シェアすることが、モバイルの文化の中に受容され、スタンダードになったのである。

2010年から急速に発展、スモールビジネスの味方に

インスタグラムは2010年にケビン・シストロム氏とマイク・クリーガー氏によって設立された企業だ。写真を撮ってフィルターをかけ、写真という長年親しまれてきた文化をノスタルジックにデジタル化するという優れた感覚と、スマートフォンで写真を撮って共有するというシンプルな行動を定義したことで、3年間で1億5000万人ものユーザーを獲得するサービスに成長した。

これまでに共有された写真は160億枚、現在、1日に投稿される写真は5500万枚で、これに12億もの「いいね」がつけられる。アプリには買収したフェイスブックだけでなく、ツイッター、フォースクエア(位置情報共有)、フリッカー(写真コミュニティ)、タンブラー(ブログ)といった既存のソーシャルサービスに写真を投稿することができ、ユーザーの利便性も高い。

写真という情報量が多いコンテンツを、フィルターを活用して簡単により見栄えよく表現し、インスタグラム内外に簡単に投稿することができる仕組みは、ユーザーに広く受け入れられた。同時に、さまざまな企業にもより広く使われている。

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