一流ブランド支える、一流デザイナーの仕事 ブランドを成功に導く立役者

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まず、デザイナーとして30年以上も“シャネル”を引っぱり続けている、カール・ラガーフェルド氏(ドイツ人、80歳)。自身の高級プレタポルテ“アルマーニ”から、カジュアルラインの”アルマーニ エクスチェンジ”までを手中に収めるジョルジオ・アルマーニ氏(イタリア人、79歳)。そして、ポロシャツの定番“ポロ”や“ラルフ・ローレン”を展開する、ラルフ・ローレン氏(アメリカ人、74歳)。3人とも70歳を優に超えていますが、現在も現役でご活躍、そのクリエイションにはますます磨きがかかっています。

ちなみに、それぞれの活躍の場は、ラガーフェルド氏はパリ、アルマーニ氏はミラノ、ローレン氏はニューヨークと、コレクションが行われる都市を中心にしています。ですが、実際は、プライベートジェットで世界中の都市を飛び回り、精力的に活動されています。

一流デザイナーのキャリアと成功

さて、ここで3人のキャリアについて少しお話したいと思います。

ラガーフェルド氏は、若い頃よりその才能が評価され、受賞歴も多く、デザイナーとしてエリート街道を進んできました。彼も、自分のブランドを手がけてはいるのですが、正直なところ、シグネチャーブランドよりも、シャネルやフェンディといった老舗メゾンにおけるデザイナーとしての功績の方が顕著です。

対照的に、アルマーニ氏とローレン氏に共通するのは、老舗ブランドの雇われデザイナーとしてではなく、シグニチャーブランドやそのセカンドライン(より低価格な姉妹ブランド)で成功しています。つまり、ある程度のセンスがあることは大前提ですが、デザイン的な才能が評価されたというよりは、自分でビジネスを展開し、それを上手く成功させたと言えます。

詳しいブランドの説明は、いずれ取り上げる機会までとっておきますが、今回は、この2人の意外な共通点をご紹介したいと思います。

というのも、驚くべきことに、アルマーニ氏もローレン氏も、もともとデザイナーとして専門的な勉強をしていたわけではありませんでした。アルマーニ氏は、大学で医学部に所属、兵役のため大学を中退し、その後、日本で言うところの百貨店で働き始めたことが、ファション業界に入るきっかけでした。そして、現在の会社を立ち上げたのは、なんと40歳を過ぎてからと、スロースターターでした。

一方、ローレン氏は、大学で経営を専攻するも、中退し、同じく軍隊に入隊。除隊後に、某ファッションブランドの販売員としてキャリアをスタートさせました。その後の成功については、ご存じのとおりです。

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