クリエイティブディレクターの台頭
では、ブランドのデザイナーは、いったい何をしているのでしょうか?
最近、デザイナーと呼ばれる人たちの多くが、“クリエイティブ ディレクター”という肩書きにシフトしています。彼らの仕事は、コレクション作りにとどまらず、ブランド全体のイメージや方向性を決めることです。そして、それを具体的な形にすることです。
その中には、もちろん、全体的なコレクションのテーマを決め、デザインし、実際に使用する生地やボタンを選ぶ、ということも含みます。一方で、ファッションショーの会場やモデルを決めたり、ショップの内装から紙袋のデザインまで、彼らが決めるものは多岐にわたります。
こういう背景により、デザイナーには、以前よりマルチなタレントが求められています。そして、このような貴重な人材はごく一握りの人たちです。ですから、ブランドビジネスの明暗を決める一流メゾンのデザイナー交代劇は、ファッション業界の最大の関心事のひとつです。そして、野球選手のようにギャラが公開されるわけではありませんが、億単位の報酬と、メゾンにおける最大級の権力が約束されるこのポジションは、ブランドにおけるピラミッドのトップであることは間違いありません。
さて、今後の「ファッション! インサイダーストーリー」では、デザイナーや業界関係者のインタビューなど、より広く、さまざまなトピックをお伝えします。また、ファッション業界の裏話はもちろん、業界以外のラグジュアリーブランドの取り組みなど、ファッションを軸におきながら、さまざまなネタを縦横無尽に取り上げていきます。そして、何かの形で読者の皆様にヒントになるようなものをご提供できれば幸いです。
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