アフリカ最強? ドブ板日本人集団の底力 役立つビジネス情報は、青年海外協力隊に聞け!?

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日本が、新興国でプレゼンスを向上させるために、まだまだ活かせる”隠れ資産”、それが青年海外協力隊です(写真は、セネガル南部の村でインタビューを行う協力隊員たち)

ゴールドマン・サックス、ハーバード・ビジネス・スクールで叩き込まれた、効率的かつ洗練されたビジネスのやり方――。それらを駆使してアフリカ経済を変えてやる!とばかりに、意気揚々とアフリカに飛び込んだ5年前の僕。当時の僕に、「数年後の自分が想像できた?」と聞いたら、何と答えるか。間違いなく「NO!」と言うでしょう。

欧米流がすべてではないということ、アフリカで商売をするうえでは、どぶ板営業的に、現場情報を自分の目で見ることが大切だ、ということ。それらを、痛い目にも遭いながら、日々、体で学んできたということを、これまでの連載記事ではご紹介してきました。

そうしたショックも乗り越えつつ、アフリカに来て早5年。僕もそれなりの“どぶ板野郎”になってきたつもりなのですが、それでも絶対にかなわないどぶ板集団がいます。それが、青年海外協力隊の隊員たち。ビジネスとは関係ない人たち……と思った方も多いかもしれませんが、実はまったく逆で、むしろ、ビジネスパーソンたちが耳を傾けるべき、現場に密着した有益な情報を持つ人たちなのです。

セネガルのド田舎で踊る、分厚い札束

彼らとの出会いは、セネガルに赴任して比較的すぐにさかのぼります。僕は週末に日本人同士で日本語でわいわい話すのが大好きなので(英語やフランス語は、勤務中だけでお腹いっぱいになりますから)、元気いっぱいの協力隊員たちは格好な飲み仲間でした。普段は地方の村で草の根のボランティアに励む彼らが、首都に上京してきたときに、わが家に呼んで盛大な飲み会を開いていました。

酒のつまみは、隊員たちの武勇伝です。

「家が断水したので、村の水くみ場にたまっている雨水を飲んでお腹をこわしました」とか、「村の祭りで、鶏を丸1匹さばいて村の人たちと食べました」とか、「夜暑すぎて家の屋上で寝ていたら、蚊に刺されてマラリアになりました」など、”奥地前進マインド”全開な物語が繰り広げられます。

そういった話を楽しく聞きながらも、僕は、「まあ、ビジネスをやる自分の人生には、あまり関係のない人たちだなあ」と思ったものです。

ところが、あるとき、ある隊員から、「いつも小辻さんの家で飲んでいるだけでもなんですから、一度僕の村に来てください」と誘われ、彼の村に遊びに行くことにしました。

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