東大生の常識「そりゃ頭良くなるよ」という習慣 「目的の解像度」を高めれば日常から差がつく

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この考え方は、仕事にも活かせると思います。「今日はこの仕事で企画書を【3つ】作成しよう」「メールを【5件】返そう」のように、目標の中に数字が入っている人とそうでない人とでは、仕事や勉強の効率が全然違ってきます

目標というのは、抽象的になりがちなものです。「なんとなく、こうしたい」と考えてしまって、結局あんまり意識せずに実践してしまい、本当にその目標が達成されたのかはわからない……なんてことも、少なくありません。

しかし、数字は目標を具体的なものにしてくれます。だから実際に行動しているときも、「今は半分くらいまでできたな!」「目標よりもちょっと高い成果が出たな!」と意識し続けることができます。

だらだら何かをするのではなく、「1時間でこれを終わらせよう」と考えれば無駄な時間を過ごすこともなくなります。まずはこうやって、数字をベースにして目標を立てて考えることがおすすめです。

目標は「松竹梅」の3段構えでつくる

目的の解像度を高める工夫2:目標を3個つくる

もう1つは、目標を3個つくることです。

「バラバラに、どんな目標でもいいから3個つくってみよう!」ということではなく、「最低でもこれはクリアしたいな」という最低ラインの目標と、「ここまでできたら最高だな」という最高ラインの目標、「現実的にはこれくらいなんだろうな」という中間ラインの目標の、「松竹梅」の目標をつくるのです。

「どんなに辛くても20ページは終わらせないとダメだ。頑張って40ページくらいは終わらせたい。でも多分30ページくらいに落ち着くだろうな」というふうに、3つの目標を立ててから実際にやってみるというわけです。

東大生は普段の生活から、この3つの目標を用意して行動しています。1つしか目標を立てないと、多くの場合、高い目標を立てすぎて失敗してしまったり、逆に達成することを重視しすぎて低い目標になってしまったりします。目標を3つ立てて、その「幅」の中のどこかには行けるようにしたいと考えれば、やるべきことがより具体的になるはずです。

これも、いろんな場面で応用できます。

例えば交渉を行うときに、「この条件は最低限確保したいな」というラインがあらかじめ決まっていれば話しやすいですよね。うまく話が進んでいるときに「一番高い目標はここだ」というのが決まっていれば、もしかしたらそこまで話ができてしまうかもしれません。「3つの目標」の考え方は、さまざまなところで役に立ってくれるはずです。

いかがでしょうか? 頭が良い人になるための習慣は、実はこんな、言ってしまえば「ほんのちょっとの工夫」の中にそのヒントがあると僕は考えています。みなさんもぜひ、実践してみてください。

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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