空前の不況下でもサバイバーになれる条件とは 「ハケンの品格」の篠原涼子演じる「コア的」志向

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働き方やキャリアの積み方、仕事における社会的なポジションは、大きく4つのタイプに分類できます。

①オペレーター
誰がやっても同じ結果が求められる仕事。決められたことを指示通り行う働き方。
②オペレーティングマネージャー
組織の中でオペレーターを取りまとめる管理職。決められたことを組織的に遂行する。
③スペシャリスト
特定の領域で高い付加価値を提供することが要求される専門職。
④コア
新たな価値を創造し、リーダーシップを発揮して組織を牽引する働き方。

非正規雇用のケースが圧倒的に多いのは、①のオペレーターです。誰がやっても同じ結果が出る仕事をすること、決められた業務を時間内にこなすこと。こうした働き方だけを続けていこうとするなら、たしかに正規雇用になるのは難しいかもしれません。

なぜなら正規雇用とは無期雇用です。長期間雇用し続けることを想定する場合、世の中や企業の変化とともに、「変化していく人材」でなければなりません。

変化していく人材ということは、オペレーターに留まらず、オペレーションマネージャー、スペシャリスト、コアとなりうる人材です。とくにコアとなりうる人材については、長期育成・長期雇用を想定します。コアとは部長や役員クラスなど、企業経営を担う幹部・幹部候補を指します。

コアは価値創造ができればそれに応じた高収入を得られますが、強靭なリーダーシップを発揮し、新たな知識を吸収し続け、幅広い人脈をつくり、オンオフの区別なくつねに仕事について考え、結果を出さなければ、相応の負債を背負うリスクがあります。決められた時間内に指示された業務を行うことが求められるオペレーターとは、働き方が根本的に異なります。

しかし逆にいえば、自ら仕事をつくり、周囲の人々をひっぱり、新たな価値を生み出そうとする意欲を持っている人であれば、企業は進んで正規雇用を考えます。

わかりやすい例は、ドラマ「ハケンの品格」の篠原涼子さんです。彼女が演じるスーパー派遣の女性のように、仕事や会社をよりよくしようとする「コア的」な志向で働いている人がいたら企業は放っておきません。当然、正社員として採用したくなるでしょう。

オペレーター的な志向からコア的な志向に意識を変える。これが非正規雇用から正規雇用になるためにとても大事なことです。

リモートワーク時代に求められるのは、より高い主体性

オペレーター的な志向からコア的な志向へシフトチェンジが必要なのは、実は非正規雇用の人たちだけでありません。正規雇用をされてはいても、実際にはオペレーター的な志向の人は多くいます。コアとオペレーターの違いは、仕事に向かう姿勢に表れます。

「私は何をしたらいいですか?」と、ただ上司の指示を待つのか。「こうしたいのですが、いいですか?」と自ら提案して承諾を得るのか。

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