1日中座っている人に知ってほしいその危険性 多くの人は起きている時間の大半座っている

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自宅で仕事をしている場合、気がつくとほとんど歩いていない、なんてことも(写真:Fast&Slow/PIXTA)

何時間もぶっ通しで椅子に座っていると将来、癌で死亡するリスクが高まる可能性があるという研究がこのほど発表された。この研究は疫学的なもので、現代人の生活習慣が垣間見える反面、因果関係について証明する種類のものではない。

ちなみに論文によれば、極端に座りっぱなしの生活を送っているグループは座っている時間が最も少ないグループに比べて最大で80%もガンで死亡する確率が高くなる可能性があるという。

たった数分でも歩く時間を増やすこと

それでもまだ望みは残っている。例えゆっくりでも、1日にたった数分でもいいから立ち上がって歩く時間を増やせば、そのリスクを減らせるかも知れないというのだ。これならやってみる気にもなろうというものだ。

そうでなくても1日中座ってばかりいるのが健康的でないことを示す証拠はいくらもある。これまでの研究で、座っている時間が長いことと心臓病やII型糖尿病、肥満や早死にのリスク上昇との間に関連があることが判明している。

だが、そうした研究の多くは、人の記憶というあまり当てにならないものに頼っていた。時折思い出したように運動するだけでもリスクを減らせるのか、減らせるとしたらなぜ減るのかといった点についてはほとんど調べられることはなかった。

今回の研究は、テキサス大学医学部アンダーソンがんセンターなどアメリカ国内の複数の研究機関が共同で行ったもので、6月にJAMA腫瘍学誌で発表された。分析の対象となったのは、脳卒中の危険要因に関する全米規模の大規模調査の一環として集められた既存のデータだ。

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