1日中座っている人に知ってほしいその危険性

多くの人は起きている時間の大半座っている

きちんとした運動でなくても、通常なら座っている時間を少なくとも 10分間、軽い散歩や家事、庭いじりといった軽度の活動に充てるだけで、がんで死亡するリスクは約8%減るという。

これらのデータからわかるのは「少しでもいいからこれまでよりも多く体を動かせば、例えそれがどんなに軽いものであったとしても、がんを生き延びる力になるかも知れない」ということだと、テキサス大学医学部アンダーソンがんセンターの医師でこの研究の責任者であるスーザン・ギルクリストは言う。

がん予防にマラソンは必要ない

もっとも、この研究にはいくつものただし書きが付く。分析の対象はがんの死亡率であって、がんに罹患するリスクではない。また、あらゆるがんの種類をひとくくりにして論じている。

そして何より重要だと思われるのが、この種の予測調査は無作為抽出実験ではなく、座ったままの時間とがんによる死亡率の間に相関があるのは分かっても、「座っている時間が長いとがん死亡率が高くなる」とは言えないことだ。どのような仕組みでリスクが高くなるのかも分からない。体を動かさないことが身体に直接の影響を及ぼすのか、ほかの要因(座っている間に何を飲み食いするか、など)がリスク上昇をもたらしているのかも分からない。

ギルクリストによれば、研究チームはこうした点についても今後、調べてみたいと考えているという。だが保留は付くにせよ、わくわくするようなデータには違いないと彼女は思っている。

がん死のリスクを減らすのに「外に出てマラソンを走る必要はないと言えるのが今回の大きな成果だ」と彼女は言う。「1時間おきに立ち上がってリビングルームを数分、歩き回るだけでも大きな違いが出る可能性があるといったところだ」。

(執筆:Gretchen Reynolds記者、翻訳:村井裕美)
(c) 2020 New York Times News Service

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