1日中座っている人に知ってほしいその危険性

多くの人は起きている時間の大半座っている

この調査には、人種もさまざまな中高年(45歳以上)の男女3万人超が参加。2002年の開始以降、健康状態や生活習慣、病気などについて細かい情報が集められている。一部の人には1週間程度にわたって活動量計を装着してもらい、どのくらいの頻度・強度で体を動かし、どのくらいの時間座っているかについて客観的なデータを記録した。

現在までにいずれかの時点で活動量計を装着した約8000人分のデータが集まっている。健康状態はさまざまで、肥満や喫煙、糖尿病や高血圧といった問題を抱えている人もいた。比較的痩せている人も、定期的に運動していると答えた人もいた。

16時間のうち13時間座っている

活動量計のデータからは、体を動かしていない時間が1日平均でどのくらいかを客観的に知ることができた。座ったままで長時間過ごす人は多く、1日あたりの平均で言うと、目覚めている16時間のうち13時間は椅子に座っているか、そうでなくとも体を動かしていなかった。

だがみんなが同じだったわけではない。活動量計のデータによれば、一部の人々はこまめに立ち上がって動いていた。この中には散歩や家の掃除、ガーデニングなど軽く体を動かしている人もいれば、しっかりと運動している人もいた。

そこで研究チームは、1日のうち座っている時間の長さに応じて人々を3つのグループに分け、次に人々の死因について調べた。最近になって何らかのがんで亡くなった人をピックアップしたのだ。

最後に研究チームは、座っている時間が長いとがんで死亡する可能性が高まると統計学的に言えるかどうかを分析。ほとんど座りっぱなしのグループが調査期間中にがんで死亡する確率は、座っている時間が最も短いグループと比べて82%も高いことが明らかになった。この相関は、年齢や体重、性別、健康状態や喫煙歴、教育水準、居住地といった条件を揃えても変わらなかった。

だが統計データをさらに分析したところ、理論的には体を動かす時間を増やせばリスクを軽減できるかも知れないことが明らかになったという。例えばじっと座っているのをやめて運動時間を30分増やすごとに、その後がんで死亡するリスクは31%減少する。

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