10年以内に「日本国民全員を踊らせる」男の告白 「SHOE DOG」に唸るダンス界の革命児FISHBOY

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若い世代は、「TikTok」や「Instagram」「YouTube」などの影響でダンスが日常の中に溶け込んでいます。でも30~50代にとっては「ダンスなんて若い子のするものだし」とか「1人ではとても恥ずかしくて踊れないから」という羞恥心があるんですよね。そこを取り払いたい。

僕のオンラインサロン「FISHBOY LABO CLUB」では、30代以上のダンス未経験者を対象に、まずは盆踊りから入ってもらうなどして、踊る楽しさとメリットをシェアする活動をしています。

ダンスは、最初の1歩を踏み出すことが大事なんです。一度踊ってしまえば、どんどん踊れるものなんですが、その最初のハードルを低くするという点で、盆踊りはいいんです。

お祭りに行けば、子どもから高齢の方まで踊っていますし、自分たちに似合うものとして自然に受け入れられてもいる。ダンスには、向き合って踊るもの、ステージ上から全体に見せるものなどの形がありますが、盆踊りの場合は、みんなで一緒に踊っているけど、前の人の背中を見る形で輪になっている、という特徴があります。

つまり、パーソナルスペースを確保していて、極めて「見られてる感」が少ないけれども、一緒にできるコミュニティー・ダンスでもある。つまり、シャイな日本人に向いているんです。サロンでは、盆踊りをきっかけにストリートダンスに挑戦していくという取り組みもしています。

家紋や校歌、社歌のようなダンス

僕は、もっと日常の中に踊りがあっていいと思っているんです。誕生日を祝うとき、バースデー・ソングを歌いますが、バースデー・ダンスがあってもいいと思います。各家庭にダンスがあって、家紋のように代々伝わり、「おじいちゃんのおじいちゃんもこれを踊っていたんだよ」という世界になってもいいですよね。

学校には校歌があるのだから、学校のダンスがあってもいいですし、会社もそう。それをシェアする取り組みがあっても面白いと思いますね。実際、企業から「毎朝のラジオ体操に変わる、社名のついたダンスを作ってほしい」という依頼をいただくこともあるんです。

僕の実体験として、ダンスには瞑想のような効果を得られるメリットがあるとも考えています。阿波踊りのような単調な動きを続けていると、やがて、何も考えなくとも呼吸するようにステップが出るようになります。すると、精神的にクリアな境地に入れるのです。

オックスフォード大学の研究でも、みんなで一緒に踊ることによって脳内麻薬エンドルフィンが分泌され、精神が整うという報告もあります。今後は、こういったことも含めて、科学的にもダンスのメリットを提示していきたいと考えています。

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