10年以内に「日本国民全員を踊らせる」男の告白 「SHOE DOG」に唸るダンス界の革命児FISHBOY
ダンスをランニングと同じ「文化」に
ダンサーが身に着けるものはたくさんありますが、とりわけ重要なものが、靴です。ファッション性と機能性を考えて、つねに探しています。でもダンサーって、意外と靴について深く知らないんですよね。そこで、靴の中でも愛されているナイキの歴史について掘ってみようと考え、『SHOE DOG(シュードッグ)』を手に取りました。
読んでみると、僕自身と重なる部分があって引き込まれました。とくに、ビル・バウワーマンのエピソードには共感しました。まだ世の中にランニングというものが認知されていない時代に、「ランニングは楽しい」「ランニングはメリットがある」という価値観を人々に浸透させながらシューズを提供した。そして、ランニングをアメリカ人の趣味にまでしたわけです。
僕は、いまダンスの分野で同じような壁に挑戦しています。ダンスはどうしても「若い子がするもの」というイメージがあって、なかなか大人たちが入ってきてくれません。ですが、実際に社会を動かしているのはその世代の大人たち。彼らが踊ってくれることで起きる変化はとても大きいです。彼らの踊りに対しての抵抗感や偏見を変えて、みんなが踊るような文化ができないかと考えているんです。
本書を読みながら「そうか、ランニングはこういう軌跡をたどってきたのか。それならダンスだって変えていくことは可能なんだ」と励みになりました。「こんなふうに価値観を変えられて、世の中を変えられたらいいな」と勇気をもらったんです。
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