エントランス横の広々としたロビーには、ゆったりとくつろぐ宿泊客の姿が見られる。台湾内では市中感染がない状態が続いているからか、マスクを着けていない人の姿もあるほどだ。
ただし、施設のスタッフはそういうわけにいかない。マスクは必須アイテムだ。スタッフは皆、出社時と退社時に体温を測る。そうすることで、利用客だけでなく、スタッフ自身の身も守る。
共用部分であるレストランは、もともと空間が広く取られており、利用人数に合わせて、都度、テーブル間の距離を開ける。2メートル弱の間が空いていて、ソーシャルディスタンスは十分に満たされていた。
ゆとりある空間設計が奏功
距離だけではない。消毒はすでにルーティンだ。
「レストラン内の消毒は以前から行っていました。今回の問題が起きてからは、テーブルの隅や出入り口のバーハンドルも含めて、より念入りに行うようにしています」(レストラン担当・林亭羽さん)
チェックアウトの手続きも同様だ。従来、フロントのカウンターで3列体制で行っていたが、基準を満たすために2列に変更することになった。
「少し時間はかかりますが、お客様にはご理解をいただいています。皆様、『安心旅宿』の政策に則っていることをご存じですので、クレームなどもありません。誰もが安心できるなと感じています」(フロント担当・李倩滎さん)
一方、変わらないのはルームチェックインだ。通常、ホテルではフロントでチェックインするが、星のやでは客室でチェックインを行う。客室の中でも宿泊客との距離を十分にとっている。ただ、これもコロナ禍では「密を避ける」という意味で有効な手立てとなった。
人がかかわる部分だけではない。施設内のどこをとってもたっぷりとした空間設計が、コロナ対策として機能していた。
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