「熱中症予防ゼリー」が画期的だと言えるワケ 機械工具商社と駄菓子メーカーが「コラボ」
名古屋の機械工具商社と駄菓子メーカーのコラボで生まれた熱中症予防ゼリー。その名も『現場の相棒 塩ビタミンゼリー』。
新型コロナウイルスの感染防止のためにマスクを着用するのが日常生活に定着してきた。これからますます暑くなる中で懸念されるのが熱中症である。塩飴や飲料水などさまざまな熱中症対策の食品があるが、このほど名古屋の機械工具商社と駄菓子メーカーがタッグを組んで開発した『塩ビタミンゼリー』が話題を呼んでいる。
空調服やスポットクーラーでは太刀打ちできない暑さ
「夏場に取引先の町工場へ行くと、熱中症対策の商品について尋ねられることが多いんです。とくにここ3年ほどは従業員の方が熱中症で病院へ運ばれたという話をよく耳にするようになりました。何しろ、暑さに慣れているタイ人やベトナム人の研修生も倒れてしまうことがあるそうですから。これは何とかせねばと思いましたね」と話すのは、名古屋市西区にある機械工具商社、ノダキの代表取締役社長、野田典嗣さんだ。
ノダキは1907年創業の老舗機械工具商社。今では機械工具からの延長で、多岐にわたる商品を扱っている。とくに自動車産業をメインに製造業が盛んな愛知県では絶大なシェアを誇り、アジア圏でも事業を展開している。
扱う商品が機械工具という消耗品であることから、同社の営業はほぼ毎日クライアントを訪れ、「御用聞き」のような形で客のニーズに応えている。同社が扱う空調服やスポットクーラー、水冷扇などを納めても熱中症の被害が及ぶ現場があった。
そこで野田さんは熱中症の予防に観点を変えて考えてみることに。こまめな水分と塩分の補給が必要となる。実際、夏場になると、スーパーやドラッグストアに塩飴やOS-1、ポカリスエットなどの飲料が並ぶ光景を目にする。
「すぐに食べられるようにと工場内に塩飴を置いておくと、暑さでドロドロに溶けてしまううえ、個別包装のパッケージが開けにくいんです。致命的なのは、おいしいと思える商品がないから手が伸びないという意見が多く寄せられたことでした。飲料の場合、例えば、工場で1000人が働いているとしたら、1日1000本は消費されるわけです。コストもかかりますし、保管する場所も必要になります。飴や飲料に代わるものをずっと探していました」(野田さん)
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