"スポーツドリンク風"はこんなに危険! 日常的な飲用にひそむ、これだけのリスク

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
熱中症対策の水分補給、カロリー・糖質ゼロに踊らされていませんか?(写真 : photomai / PIXTA)

汗をかいてからでは遅い!

8月末になり涼しい日も出てきましたが、まだまだ急に暑くなる可能性もあるこの時期は「熱中症」のリスクが気になる季節です。

「熱中症」とは暑熱環境下で活動することによって身体に支障がおき、健康障害に至る症状の総称を言います。症状の程度によって以下のように分類されますが、医療機関側でわかりやすいようにI度(軽症)、II度(中等症)、III度(重症)と分けています。

・熱失神(I度)……暑さによって上昇した体温の低下を促すため、皮膚血管の拡張が生じて血圧が低下する。そのため頻脈になりますが、脈が弱いので脳血流が減少して発症します。症状としては、めまいや貧血および顔面蒼白などがあり、休憩と水分補給を要します。
・熱けいれん(Ⅰ度)……体温を下げるために多量に発汗し気化熱が促されるので、極端な口渇感に襲われる。このとき、一気に水だけを補給すると血液中の塩分濃度が低下して手・足や腕・脚、腹部などの筋肉痛やけいれんが起きます。
早急に身体を冷やすとともに、衣服を緩めて安静にさせながらスポーツドリンクなどで塩分や糖分を水とともに与える必要があります。
・熱疲労(II度)……多量な発汗があっても水分を補給しなかったり、多量の水を補給しても細胞外液を司る血液のナトリウム(塩分)濃度が低下して、浸透バランスが崩れる。そうすると、体内に水分が吸収できなくなって身体が脱水状態になり、脱力感、倦怠感、悪心、嘔吐、頭痛、めまいが起き、医療機関での治療が必要になることがあります。
・熱射病(III度)……体温が40℃以上にまで上昇して脳内視床下部の温熱中枢の機能低下が起こると、体温調節ができなくなって発汗もなく皮膚が乾燥します。
こうなると声掛けに対する応答がなかったり、異常な言動などの意識障害を伴ってショック状態となり、深部体温の上昇や腎臓・肝臓機能の低下に陥ります。生命に関わる危険性もあるので早急に体を冷やして医療機関での手当や治療が必要になります。
次ページ熱中症を予防するためには
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事