"スポーツドリンク風"はこんなに危険! 日常的な飲用にひそむ、これだけのリスク
現在、喉が渇けば気軽に飲める清涼飲料水が種類豊富に用意されています。種類はどうあれ、甘いドリンクには100mlあたり5g~10gの糖類が含まれているので、ペットボトル500mlで25g~50gもの糖類を摂取することになります。
ペットボトル症候群とは?
特に夏場は、喉の渇きを癒やすために飲む機会が増える傾向がありますが、飲むたびに血糖値が上昇して、インスリンの分泌量が増えることになります。そうすると太りやすくなるばかりでなく、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞への負担が増すので、その繰り返しでインスリンの分泌にも支障が出ます。
それに気付かずに進行してしまうとインスリン分泌不全を起こしてしまうことがあり、糖代謝が悪化して高血糖状態が続きます。高血糖状態は口渇を誘発するのでさらに清涼飲料水を飲むことになり、この悪循環が「ペットボトル症候群」を引き起こします。
通常は、血糖値が上昇するとインスリンによって糖(グルコース)が体内に取り込まれ、血糖値は下げられますが、インスリン分泌不全では糖が取り込まれません。そのため、高血糖であっても飢餓状態と同じく肝臓で脂肪酸(中性脂肪)を酸化させてケトン体が作られ続けるので、血液が酸性状態に傾いて糖尿病性のケトアシドーシスが発症します。
これがペットボトル症候群と呼ばれる急性の糖尿病で、腹痛や嘔吐の他、意識障害や昏睡に至る重篤な状態です。
高温下や炎天下での活動では、熱中症を予防するためにも絶えず水分補給に気を付けなければいけませんが、ペットボトル症候群に陥らないよう安易に清涼飲料水を飲むのではなく、通常は糖類を含まない水やお茶だけで充分です。
ただし、お茶はカフェインが含まれるので、利尿作用があることを考慮して少しずつ補給します。また、炎天下での重労働や激しいスポーツなどによる大量発汗では、汗と共にナトリウム・カリウム・マグネシウムなどのミネラルも失われるので、イオンバランスを崩さないことと、栄養素を補給するためにもスポーツドリンクが有効です。