"スポーツドリンク風"はこんなに危険! 日常的な飲用にひそむ、これだけのリスク

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特に水分の補給として、あるいは体に良さそうなイメージで選択しやすいのはスポーツドリンクですが、スポーツドリンクの特色としては糖分の浸透圧が体液や血液に近いので早く吸収されやすいということです。

その配合バランスは塩分と糖分の調整ですが、その糖分に人工甘味料を使ってしまっては浸透圧の調整ができず、スポーツドリンクとしての役割が果たせなくなってしまいます。

さらに人工甘味料は甘さを感じますが、血糖値は上昇しにくいので脳内視床下部は糖として感知できません。そのため、ついつい飲み過ぎてしまうことも考えられます。

糖質を栄養源としている脳は、糖を感知しないと摂取量を制御できず、必要以上に飲んでしまうことにもなりかねません。

このような“スポーツドリンクもどき”を、アイソトニックやハイポトニックのスポーツドリンクと同様に、水分補給の目的でガブガブ飲んでいると、体内の水分に含まれるイオン濃度がどんどん薄くなってしまいます。イオン濃度を維持させる体の作用によって口渇感がなくなると共に、利尿作用を促してイオン濃度を調節しようとするのでかえって脱水が助長されてしまい、必要な水分補給ができなくなってしまいます。

目的によって使いわけて

一般的に糖質を避けたり、カロリーを気にする傾向があるので「糖質オフ」や「カロリー0」といったドリンクが選ばれていますが、その目的によって使いわける必要があります。

スポーツドリンクに関しては糖分や塩分などが入っていて初めて、その機能を果たせるので、人工甘味料を使ったものはおすすめできません。

そもそもスポーツドリンクとはスポーツなどによる大量の発汗に伴う水分の補給が目的ですので、日常生活の中で普段の水分補給として習慣的に飲むのには適していないことも覚えておいて下さい。

永田 孝行
ながた たかゆき

1958年愛知県名古屋市生まれ。東京大学大学院医学系研究科で肥満と代謝を研究。 生活習慣病予防と改善の為の食事療法としてGI値 (グリセミック・インデックス) に着目して実験・研究を重ねた後、2001年に「低インシュリンダイエット」を提唱し、ブームを巻き起こす。また2003年には特異的な体脂肪分解のメカニズムを解明し、部分痩せを可能にする著書『10 days ポイントダイエット』を国内外で出版。これまで60冊近くを出版し、書籍販売総数は500万部を突破。

主な活動としては健康保険組合や企業を通して社員の健康・保健指導や生活習慣病予防と改善対策における食品の研究開発、健康コンサルタント、さらには講演活動や雑誌の指導・監修、テレビ、ラジオ、新聞などの取材も多数受けている。

主な著書に『低インシュリンダイエット』(新星出版社)、『なんで太るの?』(角川書店)など。

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