永遠の17歳「かにぱんお姉さん」を知ってますか 最初は正社員ではなく「パート採用」だった

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
「かにぱんお姉さん」こと望月沙枝子さん。ド派手な衣装はネット通販で購入(筆者撮影)

深夜にテレビを見ながら仕事をしていたある日のこと。思わず、キーボードを叩く手を止めてテレビの画面を凝視してしまった。そこに映し出されていたのは、全身をド派手なピンクのロリータファッションに身を包んだ女性。帽子にはカニのマスコット、肩には大きなカニの形をしたバッグも下げている。番組では、お笑い芸人の霜降り明星と身体を張った勝負を繰り広げていた。

「最近のアイドルは売れるためならなり振り構わないんだな……」と思ったが、アイドルと呼ぶにはそこそこ年も重ねているように見える(失礼!)。番組を見ていくと、彼女は静岡県浜松市に本社がある三立製菓の広報担当で、同社の商品「かにぱん」をPRする「かにぱんお姉さん」(年齢非公開、プロフィールには永遠の17歳とある)ということがわかり、二重に驚いた。

ライターという仕事柄、これまで数多くの広報担当者と会ってきた。しかし、彼女のように自身がキャラクターとなって商品をPRする広報は見たことがない。かにぱんお姉さんに会って話を聞いてみたいと思い、三立製菓を訪ねた。

各地で大盛況の「かにぱん教室」

「こんにちは。本日はよろしくお願いいたします」と、目の前に現れたのは制服姿の女性社員。一瞬、誰なのかよくわからなかった。よく見ると、かにぱんお姉さんこと同社企画開発部企画課の望月沙枝子さんだった。当たり前だが、普段からあの衣裳で仕事をしているわけではないのだ。

社内でデスクワーク中の望月さん(筆者撮影)

「商品企画や商品のリニューアルに伴うパッケージデザイン、ホームページの管理などが企画課の主な業務です。広報担当となったのは、2017年4月からなので、まだ最近のことです」

三立製菓は、今年で創立99年。災害時の非常食として知られる「カンパン」や1965(昭和40)年に発売されたロングセラーの「源氏パイ」、駄菓子の定番「チョコバット」など看板商品はたくさんある。「かにぱん」をPRをするようになったのは、かにぱんの国からかにぱんの雲に乗ってやってきたものの、雲から落ちてしまったというのが表向きの設定である。

「今も活動の主軸となっているのは、子ども向けのイベント『かにぱん教室』です。6年ほど前に地元の幼稚園の先生から、かにぱんを使って子どもたちに何かできませんかと相談を受けたのがきっかけでした。子どもが大好きな私にとって、直接子どもたちと触れ合える機会をもらえたことはとてもうれしく、感謝しています」

次ページ幼稚園の先生からのオファーを快諾!
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事