コロナ後「モメない職場」がますます危うい理由 「生産性」と「幸福感」を両立させる方法
コロナで大きく変わる、チームでの動き方
青野:オンラインでのリモートワークが進むと、時間もバラバラ、場所もバラバラで働くビジネスパーソンが増えます。そんな「個の時代」にチームワークを高めるには、今まで以上に情報を共有していかないといけないでしょう。
コロナ前のようにみんなが同じ部屋に集まっていれば、ほかの人の声も聞こえてきたし、顔色も見ることができた。でも、それが見えない、聞こえないわけですから、メンバー全員が意識的に情報を公開して、お互い確認しながら働くことが、ますます重要になってくるはずです。
それは単に1人ひとりが心がけようというのではなくて、やはり会社の風土がそうなっていかないといけない。「お互い隠し事をしない、ウソをつかない、情報公開・情報共有が大事な働き方なんだよ」ということを、組織全体の風土としてつくっていくことが大事だと思います。
ピョートル:日本企業はそれがとても苦手ですよね。そもそもオフィスで「本音」が言えないじゃないですか。情報というのは、何も仕事内容だけじゃなくて、怒っているとか悲しいとかうれしいとか幸せとか、そういうメンバー1人ひとりの感情も含まれます。ところが、会社の中ではそれを持つことすら許されないようなバイアスになっている。青野さんがよく「モンスター」と呼んでいる悪い企業文化ですが。
青野:社長が知っている情報をなかなか出さないとか、部長が今日誰と会っているのかメンバーに教えないとか、階層による「情報格差」という、情報公開・情報共有とは逆の風土が強固に残っています。こうした悪習=モンスターを退治していくためにも、メンバーの感情も含めて、インターネットのようにどんどん情報をオープンにして、見える化・フラット化していくことが重要だと思いますね。