「遊ぶように働く」を本当に実現した人の発想 学歴や職歴よりずっと大事なこと
遊ぶように働くにはどうすればいいか
小宮山利恵子(以下、小宮山):ピョートルさんがおっしゃっているように、遊ぶように働くことができたらいちばん楽しいと思います。私自身も、好きなことややりたいことを積極的に周りにアピールすることで、人間関係も仕事も楽しい方向へとどんどん広がっていきました。ピョートルさんがとくに意識していることはありますか?
ピョートル・フェリクス・グジバチ(以下、ピョートル):質問の答えになっているかどうかわかりませんが、ぼくは趣味がないんですよ。典型的なサラリーマンの場合、1日に8時間から10時間くらい仕事を頑張って、終わったら暇つぶしに趣味を楽しむ、という考え方でしょう。だけど、ぼくがやっていることは、仕事も遊びもすべてつながっている大切なことだから、暇つぶしという考えがないんですね。
小宮山:趣味がないって、面白いですね。
ピョートル:例えば、ぼくは14年ほど前からダイビングをしているんですけど、日本の海って多様性が非常に高いんですよ。魚はもちろん、珊瑚礁もワカメも、電池もおもちゃも、わけのわからないものが海底にいっぱい眠っている(笑)。好奇心と観察力を研ぎ澄まして海の中を眺めていると、毎回、必ず発見があるんです。
それに、海に潜る前には深呼吸するので、マインドフルネスな状態になります。海に入ると飛んでいるような感覚になるので、陸の上とは全然違うスピード、全然違う原則の中で動きますよね。そして、ゴミの間から見たことのない魚が出てきたりすると、多様性のパターンとか複雑な構造とか、哲学的なことも考えるんです。そうして、いろいろなことを振り返ることができるので、自分の深層心理を探るすばらしい時間になるんです。
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