「遊ぶように働く」を本当に実現した人の発想 学歴や職歴よりずっと大事なこと

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ピョートル:ですから、国家資格が必要な仕事をするなら別ですけど、起業家になりたい人にMBAを取ることはおすすめしないんです。資格を取るために、与えられた枠のなかで課題解決の方法を学んでも、新しい世界を創り出せませんから。

イノベーションを起こす人というのは、常識を破って、問題を再定義する力があります。そういう人ほど町をブラブラ歩いて、「最近の高校生は何をやっているんだろう?」とか、「この地方のコンビニにはご当地名物があるのかな?」とか、「この町の何が変われば、住民たちは喜ぶんだろう?」とか、一見くだらないように見えることを考えていたりするんですよ。

小宮山:私も地方に行くと必ず、タクシーの運転手さんに気になることを聞いたり、時間があれば銭湯に行って地元の女性たちと雑談します。その地域で発行されている地方新聞も必ず買って熟読しますね。どれもレアな情報なので。

自分の「人生の棚卸し」をしてみる

ピョートル:先日、ぼくの会社にインターン生が来たんです。

『レア力で生きる 「競争のない世界」を楽しむための学びの習慣』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

その女性が、「インターン生としてどんな貢献をすればいいか、ピョートルさん教えてください」と言うので、「教えるんじゃなくて考えてきてね。ぼくの会社でのインターンシップは世界でいちばん自由で自律性を求められるので。何をするか考えてきて」と言ったんです。

そのためには、彼女が今までどんな体験をして、どんな刺激を受けて成長してきたのか? 今までいちばん面白かったことや、最高だったと言えることは何か? ちゃんと定義づけできなければいけない。

その経験をもとに課題を見つけて、自分のポテンシャルを発揮できる解決策によって人が喜ぶことを目標にすると、人って燃えるんです。

小宮山:これまでの自分の「人生の棚卸し」ができているかどうかってすごく重要ですよね。社会人でもできていない人が多いと思います。日々の仕事に追われていると立ち止まることさえ忘れてしまいがちです。まず時間を確保して棚卸ししてみる。それができると、今の仕事のままでいいのか?という点も明確になると思います。

樺山 美夏 ライター・エディター

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かばやま みか / Mika Kabayama

リクルート入社後、『ダ・ヴィンチ』編集部を経てフリーランスのライター・エディターとして独立。主に、ライフスタイル、ビジネス、教育、カルチャーの分野でインタビュー記事や書籍のライティングを手がける。

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