このように、自分の仕事のペースを大きく乱されるほどのむちゃ振りが飛んでくるのは、つらいものです。
ただ、むちゃ振りは「必要悪」のように、どの職場でも存在します。それは、避けられないと覚悟するべきでしょう。その理由は? 当方の近著『無茶振りの技術』でも書かせていただきましたが、職場の仕事は特定の誰かにしかできない仕事より、「別の誰かで代替できる仕事」であふれているから。ゆえに(ある程度は業務量や適性を考えつつ)、
・上司から部下へ
・先輩から後輩へ
時には部下から上司に対して、仕事を振り合ったりするのです。いったんは引き受けた仕事が諸事情で対応できなくなって、代わりにやる人を探すことになり、誰かに振られる……こうしたパターンが多いのではないでしょうか?
仕事を抱え込む人に要注意
ただ、中には人に振ったほうがいい仕事でも、振れない人がいます。典型的なのは経験が長く、その人なりの仕事のやり方、属人性が高い人脈を備えている(と思い込んでいる)人。
「俺がやっている仕事は、俺にしかわからない」
と信じ、仕事を抱え込んでしまう傾向があります。誰かに仕事を振って、それが成功すると、自分が何年もかけて苦労して積み上げてきた財産を、簡単に奪われる……とさえ思っている可能性もあります。自分の守備範囲や縄張りを決めて、そこに居座ろうとする意識が強くあるのでしょう。
ただ、こうした人も抱え込みに限界を感じて、誰かに振らなければならない瞬間がやってきます。そんな人から仕事を振られた人は最悪。日頃、人に振る経験がなく、不慣れなため、やたら手間がかかるからです。中には、
「ここまで築き上げてきた仕事を、人に引き継ぐのは納得がいかない」
と、「後はよろしく」とばかりに、何の引き継ぎもなく丸投げするような、本当にむちゃ振りをする人もいるので注意しましょう。ただ、誰でも仕事を誰かに振る機会には遭遇するもの。今回は、そんなときの対処法を紹介してみたいと思います。
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