コロナで判明「つらくない職場」の決定的な要因 あなたの職場に「心理的安全性」はありますか

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とくに、他者に対する批評、批判、評価、判断は、他者をあるがままに受け入れることを妨げ、その人とのより良質な関係性やコミュニケーションをも妨げることになります。この他者に対する批評や判断は、実は自分の勝手な思い込みや固定観念から発生していることが少なくありません。

他者との関係性を向上させるためには、まず他者に対して無意識に行っている批評、批判、評価、判断に気づくことがとても重要なのです。マインドフルネスを身に付けると、他者の話を聴きながら、自分の頭、心に湧いている批判、評価の声にいち早く気づくようになっていきます。

そのワークとして、最適なのが、後述する「マインドフル・リスニング」です。

④ 組織力の向上
<思いやり、信頼に基づいた組織開発>

マインドフルネスで高めた自己認識力を、部下に対して向けることで、部下の気持ちを汲み取り、理解することができるようになります。その結果、部下のつらさや苦しみに共感できるようになり、そこからコンパッション(思いやり)が芽生えるようになります。

「コンパッション(compassion)」とは、他者の苦しみや痛みの本質を理解して、その改善に向けて行動に移すこと。ただ共感するだけでなく、相手の苦しみを取り除くために情熱を傾ける、また、実際に自分が動くということです。

このように、リーダーが共感に根差したコンパッションを持つと、部下との間に信頼関係が生まれ、人間関係が強化されます。関係性のベースに信頼があると、チームワークがよくなり、生産性が上がるようになるのです。

従業員支持率ナンバーワンとなった、世界最大級のビジネス特化型ソーシャル・ネットワーキング・サービス、リンクトインのCEOジェフ・ウェイナー氏は、経営の秘訣は、このコンパッションにあると、言い切っています。

生産性が高いチームの共通点は「心理的安全性」

コンパッションのあるチームというのは「心理的安全性」のあるチームだと言うこともできます。「心理的安全性」は近年、欧米のビジネス界で最も注目を浴びているキーワードのひとつです。「心理的安全性」については、次のような興味深い研究結果があるのでご紹介しましょう。

グーグルが2012年から4年をかけて行った社内研究調査「プロジェクト・アリストテレス」では、社内の180チームを対象に「生産性が高いチームが持つ共通点」が徹底的に調査・分析されました。

この共通こそが、「サイコロジカル・セーフティ」。「チームの中に、心理的安全性がある」ということでした。

チームの中に不安や恐れがなく、自分らしい本来の自分でいられること。突飛な発言をしても、「お前はダメだな」「できないな」などと非難されないという安心感があり、自分が理解され受容されていると感じられる。誰かの顔色をうかがう必要がなく、チームメンバーが必要のない力みを感じないで済む「心理的安全性」こそが、チームの生産性を高める因子だったのです。

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