コロナで判明「つらくない職場」の決定的な要因 あなたの職場に「心理的安全性」はありますか
組織にマインドフルネスを導入すると、実践度や実践時間が増すごとに、次のような4段階の変化が段階的に起こってくると考えています。変化は緩やかで時間がかかるものですが、その変化の過程を、マインドフルネス導入のメリットに着目して見ていきましょう。
<注意力、集中力、クリアな心と頭の平静さなどが得られる>
マインドフルネス実践で用いられるマインドフルネス瞑想では、「自分の呼吸に注意を向ける → 注意がそれたことに気づく → それた注意を再び呼吸に戻す → また注意がそれたことに気づく……」というサイクルを重ねて、注意と集中力を強化していきます。
トレーニングを積んで、この状態を継続できるようになると、仕事から注意がそれたことに気づけるようになるため、それた注意を仕事に戻せるようになります。集中して作業ができるようになり作業効率が上がるのです。
アメリカ・ウェイクフォレスト大学医学部の研究チームによれば、1日20分のマインドフルネス瞑想を4日間行うだけで、集中力が最大で50%もアップすることがわかりました。同時に、注意力を持続する能力がアップすることもわかっています。
「今、この瞬間」に集中する
また、マインドフルネス瞑想を続けて「今、この瞬間」に集中することで、過去への後悔や、未来への不安などのネガティブな感情にさいなまれることが減り、心に落ち着きを感じられるようになります。
つまり、クリアな心や、頭の平静さなどが得られるのです。ポジティビティが増すことで、癒やしを得られることもわかっています。
一流のアスリート──例えば、テニスのノバク・ジョコビッチ選手や、バスケットボールのマイケル・ジョーダン選手──には、マインドフルネス瞑想などを実践する人が多く見られますが、おそらくこうした効果を求めてのことでしょう。
<自己認識力、自己管理力、内省力、自己肯定感などが得られる>
マインドフルネス瞑想の1種である「ボディスキャン」では、「今、この瞬間」の自分の身体反応を、批判なく、じっくりと観察するトレーニングを行います。これを続けると、自分の状態に気づく自己認識力が高まるため、湧き上がってくるネガティブな思考や感情に気づきやすくなります。
自己認識力とは、自分の感情、身体、資質、好き嫌い、長所、短所、さらには直観を知る能力と言われており、「リーダーが開発すべき最も重要な能力は?」という問いに対して、アメリカ・スタンフォード大学のビジネススクールの評議会メンバーが出した答えも、ほぼ満場一致で、「セルフ・アウェアネス(自己認識力)」でした。
<共感、コミュニケーション、他者理解、協働へ>
「今、この瞬間」に対する注意力が高まり、自分自身に対する気づきの力=自己認識力が向上していくと、自分自身の内側で起こっている自分自身に対してや、周囲に対しての批評、批判、評価、判断に気づくようになります。
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