あおり運転予備軍「怒りをまき散らす人」の特徴 誰しもパワハラ加害者になる要素がある
あおり運転に関する怖いニュースが世間を賑わせました。事件でクローズアップされた犯人のように、常習的にあおり運転をする人は別格だとしても、実は誰にでもあおり運転の加害者となってしまう可能性はあるのです。つまり、怒りをまき散らし、相手にぶつけて傷つけ、いまある幸福を壊してしまうことがあるのです。怒りで人を巻き込まない、怒りに巻き込まれない方法を解説していきます。
パワハラとあおり運転の加害者の共通点
精神科医として記憶に鮮明に残っているニュースが2つあります。1つは冒頭でもお伝えした危険なあおり運転です。それからもう1つはアメフトの危険タックルや、スルガ銀行不正融資問題で浮き彫りになったパワハラなどのハラスメントです。パワハラとあおり運転の加害者には共通の問題があります。それは自己肯定感の弱さと、自己肯定感を一時的に補強する「怒り」による他者の支配です。
自己肯定感とは「あるがままの自分で大丈夫」と思える感覚です。自己肯定感が強ければ他人の言動に左右されずに、自分の価値観で物事を判断することができます。しかし自己肯定感が弱ければ自分をあるがまま肯定できないので他者にも肯定してもらえないという不安と恐れを抱えて生活することになります。
「ホントは嫌だけど断ったら嫌われるかも」とか「いっぱいいっぱいだけど頼んだら迷惑かも」と、他人の顔色をうかがい本音を隠して生きていれば、ストレスもたまってだんだんとイライラしてきます。さらには「そんな自分が好きになれない」と、さらに自己肯定感を弱めてしまうのです。そのストレスはやがて限界を超えると自分よりも立場や力が弱い者に向かいます。
イライラを我慢しているよりも、そのイライラを怒りに変えて他人にぶつけ、相手がひるめば、自分が強くなったような気がします。いわば他者を支配することでパワーを感じることができるのです。自己肯定感が弱い人にとっては、自己肯定感が強くなったような錯覚を感じることができるのです。これは一種の快感です。ですから癖になりやすいのです。怒りには自己肯定感を強くすることが大切なのです。
(2)怒りをまき散らすことによって快感を得ようとしている
(3)自分よりも弱い人によく怒る・目上の人や権力のある人にはおもねる
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