あおり運転予備軍「怒りをまき散らす人」の特徴 誰しもパワハラ加害者になる要素がある

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あおり運転を例にとってみましょう。先日、お坊さんがあおり運転したうえ、相手を停車させて胸ぐらをつかむという衝撃的な事件がありました。修行を積んで悟りを開き、迷える人々を導くはずのお坊さんが怒りにとらわれてしまったのです。

この事件の発端は、お坊さんが無理な割り込みをされ、怒った後続車(被害者)がパッシングしたことにありました。パッシングによって非難されたと感じたお坊さんは、パッシングをした後続車の前で急ブレーキを何度も踏み、強引に停車させたと報道されています。

誰しもあおり運転の加害者のようになる危険性

自己肯定感が弱い人は批判されることに敏感です。批判とは「あるがままの自分ではいけない」と言われることです。もともと自己肯定感が弱い人は今までに我慢してきた怒りやイライラがあるので、些細なきっかけでその怒りを一気に噴き出してしまう危険性があるのです。

相手が自分よりも立場が上である、あるいは強そうに見える人ならばぐっと我慢していたかもしれません。心にゆとりがあるときならばそこまでの強い怒りは発生しなかったかもしれません。しかしこのときは我慢できなかったのでしょう。

とはいえ、自己肯定感が満点という人は誰もいません。私たちは生まれてからこれまでにいろいろな傷つき体験をして大なり小なり自己肯定感を損ねて成長してきています。つまり誰しもがあおり運転の加害者のように、怒りを噴出し人を傷つける危険性があるということです。

これはパワハラ問題も同じです。日頃のストレスを自分よりも弱いものにあたることで解消することを覚えてしまうと癖になります。やがては重大な事件を引き起こしてしまい、世間に明るみになり大変なことになるのです。

怒りを我慢すれば問題は解決せずにイライラがたまり、やがて大爆発します。かといって怒りを我慢せずに相手にぶつけていけば、それがきっかけとなってあおり運転のような加害者、ひいては被害者ともなるかもしれません。ではどうしたらいいのでしょうか?

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