あおり運転予備軍「怒りをまき散らす人」の特徴 誰しもパワハラ加害者になる要素がある
怒り心頭に発しているときに「ハッ!」と我に返って冷静になったという経験はありませんか? 怒っている自分を感じているのではないかと思います。このとき、私たちはとらわれていた怒りから一歩引いて冷静な立場に立っています。
怒りにとらわれているときには客観視して自分を見ることはできません。怒ることに熱中しているから、自分の状況を分析できるような気づきはないわけです。また「ハッ!」と我に返れるかどうかは自分ではどうすることもできません。怒っている最中に「今から怒っている自分を客観視するぞ」と意図的に考えることはできないからです。
怒っている自分を「客観視」する練習
逆に自分が怒っているとき客観視できれば多少なりとも冷静な判断力を取り戻すことができます。ここに怒りと上手に付き合うヒントがあります。自分を客観視することで怒りだけでなく悲しみや恐れなどのネガティブ感情を手放していく手法、それがマインドフルネスです。
マインドフルネスとは古くは仏教の枠組みの中で瞑想や座禅として伝えられてきました。メンタルヘルスの分野で注目され心理療法や大企業の社員研修に取り入れられているので、この叡智に触れたことのある人もいると思います。マインドフルネスの要点は「今、ここ」の気づきです。「今、ここ」の現実に気づき客観視することで怒りなどのネガティブ感情にとらわれずに手放すことができるのです。
マインドフルネスの基礎練習として、呼吸に注目する瞑想が有名です。呼吸によっておなかが動く様子に注目することで心を「今、ここ」に結びつけておきます。心が「今、ここ」から離れると雑念がわきますから、雑念から離し、おなかに注目を戻します。結果「今、ここ」を離れた心を元に戻すのです。これは1日10秒からでもできます。
このようにマインドフルネスの練習を積むとやがて怒りにとらわれている真っ最中に、「今、ここ」の気づきを取り戻すことに成功します。すなわち、「ハッ!」と我に返って怒りを客観視し、手放せるようになるのです。
怒ったときには深呼吸するとよいと言われますが、本当に怒っているときには深呼吸を思い出すことは難しいでしょう。そのとき、「ハッ!」と我に返って深呼吸を思い出せるかどうかは、マインドフルネスになれるかどうかにかかっています。
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