「好きを仕事にする」人がだいたい失敗する理由 DaiGo×鈴木祐「キャリア選択」を題に対談
DaiGo:僕、大学生のときの目標とか将来こうするとか、全部グーグルカレンダーに残っているんですよ。殊勝ですよ。「月100万円稼ぐ男になる」みたいに書いてあるんですよ(笑)。
そのね、解決策というか、「こうやったら月100万円超えるだろう」ってプランが稚拙なんですよ、甘いんですよ。先輩に「大学4年間で4000万円稼いだ」というようなことを言っていた人がいて。それ超えたいから「月100万稼ぐ男になる」って言っていたんです。目標の設定がひどすぎる(笑)。
鈴木:なるほど(笑)。多いですよね、そういう設定している人ね、めちゃくちゃ見かけますけど。
DaiGo:周りとの比較で決めている時点でもうなんかいろいろアウトですよね。あと「かなり無謀で無理だとわかっているんだけど書いちゃった目標」みたいな恥ずかしいやつがあって、dropboxに残っているんですよ(笑)。その中に、「35歳までに年収1億円」って。こんなん普通に無理じゃないですか、しかも解決策なんも書いてないんですよ。「株で当てる」とか(笑)。当時はタレントとか意識してなかったですからね。
鈴木:目標が明確で手段がぽわっとしているいちばんダメなパターンじゃないですか(笑)。
DaiGo:まさにそう、これ(『科学的な適職』帯の×印)つけられる。失敗したときのダメージがでかい目標の明確さがあるのに、自分が一歩踏み出すための階段が一切ない。エベレストの高さの崖を下から見ているみたいな(笑)。
オックスフォード大学に入るはずがニコニコ動画へ
DaiGo:それでいろいろやったんだけど全部うまくいかなくて。ニコニコ動画でこうなる(成功する)前に僕が最後に立てた、無謀というか、結局ならなくてよかったと思っている目標が、「オックスフォードの学生になる」っていう。でもね、なんでなりたいの?と自分に問い詰めるじゃないですか。そうするとね、「なったら人生変わりそうな気がする」という。
鈴木:なるほど、終わっていますね(笑)。価値観ではないやつですね。
DaiGo:当時はニコニコとかなかったので、パフォーマンスをテレビでやっていることが多くて。本も出していたんですけど、まあ"パフォーマー"として扱われていて。それで、もうオックスフォードに入って博士号とか取って、そこまでやって日本に帰ってきたらみんな認めてくれるはずだと。DaiGoはパフォーマーじゃなくてちゃんと科学を語れる人なのだ、と。本当、数年前までこれにとらわれていたんですよね。
鈴木:最近の話なんだね。
DaiGo:5年くらい前ですからね。で、オックスフォードで学生やっていくにはお金が必要じゃないですか。でもテレビも講演も日本じゃないとできないから、向こうでできる仕事をやらなきゃいけない、だからコンサルをやろうと思ったんですよ。
それで、コンサルの仕事も取り始めて、今は結構来ていますけど、当時はなかなか。そもそも当時のテレビでのイメージがパフォーマーなんだからコンサルの仕事なんか来ないという話で。そこから徐々にテレビの仕事もパフォーマンスも減らしつつ、生きてくのにギリギリのお金は必要なので、いろいろ手を出し始めたんですよ。その中の1つがたまたまニコニコだったんですよ。
鈴木:なるほどね、目標に向かってネットを広げ出したら当たったと。
DaiGo:そうなんですよ。だからオックスフォードに入るためのルートを探そうと思って、お金がなくてストレートに行けないから網を広げたら、たまたまそこに超大当たりがあった。
鈴木:まさに偶然をつかんだんですね。いかに網を張るのが大事かがよくわかる事例ですね。
DaiGo:つねに最高の答えは自分の想像の外にあると思っています。