「速読しないで多読する人」の超合理的なやり方 毎日10~20冊の本を読む人が実践するコツ

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科学的に正しい「速読」のスキルを身に付ける方法を紹介(写真:Fast&Slow/PIXTA)  
多くの知識を身に付けるためにたくさんの本を読みたいけれど、なかなか1冊の本すら読み通せない。「速読」のスキルを身に付けるべきか……。忙しいビジネスパーソンの中には、そんな葛藤を抱える人もいるかもしれません。
ですが、「ただ早く読むための“速読”に意味はない」と言い切るのは、『知識を操る超読書術』を上梓したメンタリストDaiGo氏です。いったいどういうことか。DaiGo氏にお話を伺いました。

読む速さと得るものはトレードオフの関係にある

私は、毎日10〜20冊の本を読んでいます。取材などでそうお伝えすると、高い確率で「速読ですか?」と聞かれます。たしかに「たくさんの本を読むには、速く読む必要がある」と考えるのは自然なことです。

気になることは実践し、その効果を検証するのが大好きな私は、世の中に出回っている速読法をほとんど試しました。

結論から言うと「1分で文庫本を1冊読めるようになる」という方法も「見開きを写真のように写し取って、潜在意識に記憶する」という手法も、熱心に勧める実践者が言うほどの効果は得られませんでした。誤解を恐れずに言えば、あれは眉唾です。

実際、速読の効果はさまざまな大学の研究者たちにも検証されています。2016年にカリフォルニア大学の研究チームが過去145の研究データから「速読は可能なのか?」を調べ、次のような結論を出しています。

読むスピードを上げると、読んだ気になるだけで内容の理解度はむしろ下がる(理解とスピードはトレードオフの関係にある)
読書のスピードと時間を決める要素の中で、目の動きや周辺視野が占めるのは10%以下しかない

つまり、テキストを写真のように眺める手法にはほぼ効果が認められず、速く読むことに特化した読書法では本の内容のほとんどが頭に残らないというわけです。

「読むスピードを上げると、理解度は下がる」。

別の見方をするとこれは、「速く読める本は、内容が簡単である」、つまり、あまりためにならない、すでに知っていることが書いてある本だということを意味しますし、反対に、丸一日かけても読み切れない、1日10ページぐらいしか進まないような本こそ、丸ごと読み切ると力になります。読む速さと得るものは、トレードオフの関係にあるのです。

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