「速読しないで多読する人」の超合理的なやり方 毎日10~20冊の本を読む人が実践するコツ

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こうした本の構成はジャンルが違っていても、大きくは変わりません。決して力を抜くわけではありませんが、本の中盤は堅めの話や大切だけれどあまり引きは強くないエピソードが語られることになるわけです。

ですから、ど真ん中の章をスキミングして「面白い」「読みやすい」「興味深い話が載っている」と感じたら、その本はあなたにフィットした1冊である可能性が高いと言えます。

さらに初心者の方は、「図や太字」があるような章をピックアップして読むことで、スキミングのスピード感を体感していきましょう。

「しかし」や「つまり」の後の文章に注目

私の場合、セクション(見出し)の最初の部分、つまり導入の部分と、最後の結論の部分を重点的に読んでいます。

なぜ「導入と結論」なのか。これは「文章構造」の話です。

その本の概要や概論を知りたければ、「導入と結論」を読めば要点はつかめるからです。結論部分は、たいてい「しかし」や「つまり」などの接続詞の後に著者の伝えたいメッセージとして書かれている場合が多いです。

「しかし、○○だと思い込んでしまうと本質を見誤る可能性がある」「つまり、○○の問題だということだ」

とくに改行されての「しかし」や「つまり」の後の文章には、このパートで著者が伝えたいデータ、メッセージが続く傾向があります。私は、これを「しかし、つまり読み」と呼んでいます。

一方、実験データ(数字)や出典を知りたければ「具体例」を読んでいきます。具体例の部分は、説得力を上げるためだったり、わかりやすく説明するために存在するので、「結論」を読んでわからないときは具体例を読めばいいでしょう。私は、結論が理解できるときは具体例を飛ばしています。

ごくまれに著名人のエピソードが具体例として出てきて「これは動画配信で使えそうだ」と思った場合は、しっかり読んで記憶します。

結論を覚えて、セットとして出典も覚える。私は本に「科学的根拠(エビデンス)」を求めているので、実用書の場合、結論と出典の2つを押さえます。「何のためにどこを読むのか」という目的をしっかり意識していれば、本を開いてすぐ読むべき箇所が判断できるので、自ずと読むスピードは速くなります。慣れてくると、目次を見ただけで読む必要がない章かどうかを判別できるようになります。

「全部頭に入れたい」というようなすばらしい本は、何回も熟読すべきなので、そもそも「速読」の対象外です。大切なのは、その本が熟読の対象なのか、速読(手早く読むという意味)の対象なのかを明確に分けることです。1冊の中の重要な箇所とそうでない箇所を判別するために速く読み、重要なところは何度も熟読しましょう。

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