「好きを仕事にする」人がだいたい失敗する理由 DaiGo×鈴木祐「キャリア選択」を題に対談

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DaiGo:(いろんな人の職業変遷の話を聞いて)共通して言えるのは、別にやりたい仕事に就いたわけではないってことね、結局。結果好きになった、はありえますけどね。僕、表に出る仕事が大嫌いだったけど、自分の動画好きだもんなやっぱり。

鈴木:表に出るのが嫌いだったんですね?

DaiGo:学士編入するためにお金必要じゃないですか、その金を稼ぐために何しようかなと思ったときに、効率悪いんですよバイトって。若い人が効率よく金稼ぐためには起業してバイアウトするか、有名人になるかしかないんですよ。そしたら有名人のほうが早いだろって思って。

みんなの前に出て何かやるってタイプじゃなかったです。むしろそういうやつらを遠くから見て「ケッ」って言っている、「あれなんか意味あるの?」って。で、けんか売られたらそいつらよりはるかにうまくやってのける、そういうのが好きだったんですよね(笑)。

やりがいも適性も後付けで来る

DaiGo:友達もね、人間関係も近いと思うんですよ。もちろん好きな人と友達になるのはいいんだけど、最初っから好きになれるかはわからないじゃないですか。偶然に頼る必要がある。友達と計画的に出会おうとする人いないじゃないですか。

鈴木:確率の網を広げるしかないっていうところに落ち着きますね。

『科学的な適職 4021の研究データが導き出す、最高の職業の選び方』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

DaiGo:表面的にはわからないことも、付き合ってみると見えてくるんですよね。誰でもそうですけど。仕事も同じようなものだと思うんですよ。表面的には「こんな仕事好きになれない」と思いながらも、付き合っていくと「いやここは楽しい」とか「やりがいある」とか、「ここ意外とうまくできるな自分」とか。だからそこなんでしょうね。

鈴木:やってみないと比較優位も見えてこないからね。

DaiGo:でもだんだんこの歳になるとやっとわかってくる、強み……っていうか性格だけは見えてくるな。凝り性とか記憶力とか、大体みんなに言われて気がつきますね。自覚がない。これ大事だと思うんです、「自分の強み・適性はこれだ」と思っていると、それ大体なりたい自分なんですよ、なりたい自分って自分じゃないじゃないですか。それでみんな職業選択ミスるんですよ。

鈴木:凝り性、気づいてなかったんですね。

DaiGo:凝り性も、記憶力も自覚ゼロ。パレオ(鈴木)さんに出会う前、調べ物得意だと思っていましたもん。なんで自分リサーチ得意だと思っていたんだろうと……それ多分凝り性なんですよ。

鈴木:なるほど、凝り性の副産物としてリサーチがあったと。

DaiGo:そうです。そういうのに気づけるっていうのは、仕事もそうですけど、仕事する前に気づくんじゃなくて、している間に気づく。これが向いてると思っていたけど実はこっちの能力が高くて続いているんだ、とかわかるから。見えてくるものが後から来る。

鈴木:情熱とかもね、後から来るからね(※)。

※物事に情熱を持てるかどうかは、人生で注いできたリソースの量に比例する(ロイファナ大学の研究等/『科学的な適職』1章より)。

DaiGo:けっこう後付けでくるものが本質なんですね。

メンタリスト DaiGo
めんたりすと だいご / Mentalist DaiGo

慶應義塾大学理工学部物理情報工学科卒業。人の心をつくることに興味を持ち、人工知能記憶材料系マテリアルサイエンスを研究。英国発祥のメンタリズムを日本のメディアに初めて紹介し、日本唯一のメンタリストとして数百のTV番組に出演。その後、活動をビジネスおよびアカデミックな方向へと転換し、企業のビジネスアドバイザーやプロダクト開発、作家、大学教授、人気YouTuberとして活動中。日々インプットした膨大な情報・スキルを独自の勉強法で体得し、驚異的な成果をあげ続けている。著書は累計330万部。『自分を操る超集中力』『人を操る禁断の文章術』『知識を操る超読書術』(すべてかんき出版)、ほかヒット作多数。

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鈴木 祐 サイエンスライター

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すずき ゆう / Yu Suzuki

1976年生まれ、慶應義塾大学SFC卒業後、出版社勤務を経て独立。10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ねながら、現在はヘルスケアや生産性向上をテーマとした書籍や雑誌の執筆を手がける。自身のブログ「パレオな男」で心理、健康、科学に関する最新の知見を紹介し続け、月間250万PVを達成。近年はヘルスケア企業などを中心に、科学的なエビデンスの見分け方などを伝える講演なども行っている。著書に『最高の体調』(クロスメディア・パブリッシング)、『ヤバい集中力』(SBクリエイティブ)他多数。

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