「好きを仕事にする」人がだいたい失敗する理由 DaiGo×鈴木祐「キャリア選択」を題に対談

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DaiGo:だから、僕を見て「ニコ生主(ニコニコ生放送の配信者)になろう」なんてことは思わないほうがいいですよ(笑)。

鈴木:(笑)。モチベーションにするにはいいけどってことですね。

DaiGo:そう、ざっくりした感じで「こういう人生歩みたい」はいいんだけど、「この職業就きたい」は具体的すぎるんですよ、制限的すぎるというか。

鈴木:まさに「視野狭窄がいちばんの問題だ」という話(※)を書いていますからね。まさにそういう話ですね。

※就職と転職の失敗は、およそ7割が「視野狭窄」によって引き起こされる(ハーバードビジネススクールの調査/『科学的な適職』序章より)。

DaiGo:だから新しいビジネスやろうとか起業しようとかって人も、こういう起業をしたいとか、起業家のこと調べすぎちゃうんですよ。超視野狭窄です。

強み・適性は比較優位で考える

DaiGo:好きを仕事にする、伸びる業界に入る、強み・適性を重視する(と視野狭窄になる)。好きを仕事にすると、好きだと思ったのに嫌なところが見えてきたりとか、自分よりもはるかにすごい人が出てきたりとか……強み・適性も、「これが俺の強み!」と思って行くと『Nature』に卒論が載るような人が出てくるんですよ(笑)。伸びる業界に入ったら、当たり前ですがその分ライバル多いってことですからね?

鈴木:間違いない。本当そうなんですよね。1人勝ちしている人に突撃して跳ね出されるだけなんで。

DaiGo:結果的にそうなるのはいいんですよ。株でもそうですけど、上がっていく株を買ったらどっかで下がるし、みんな買い始めているから値段も高いしでダメなんですよ。逆はいいんですよ。自分の仕事を最終的に好きになるのはいいし、自分の業界が伸びる、いいじゃないですか。強み・適性を重視するっていうのは、どっちかというと「比較的得意なことを重視する」、比較優位がいいなって。

鈴木:比較優位、大事だと思うんですよね。その業界トップじゃなくていいから。

DaiGo:「結果的に自分の仕事が好きになる」「結果的に自分の業界が伸びる」、あとは「強み・適性を持っている人を見つける」ですね、僕だったら。自分じゃなくて。こういうことしたいなーって思っているじゃないですか、それで自分よりすごい人見つけたら取り込むっていう。

鈴木:そこは本当に比較優位の問題ですよね、強み・適性に関してはね。

DaiGo:強み・適性の判断って難しいですよね。自分よりすごい人見つけたときに、大体の人は挫折するんですけど、「なるほどこれは自分よりこの人のほうが得意だな、じゃあ自分のほうが得意なことは何かな」って考えたら、その使い道が見えてくるじゃないですか。それがいいんじゃないかなと。

僕も芸能人としては見た目がいいわけじゃないしプロデューサーに従順なわけじゃないし演技できないし歌できるわけじゃないし、トークがめっちゃうまいかって言ったらもちろん説明はうまいんですけどテレビで求められているものじゃないんですよね、僕みたいなのは。

鈴木:チームプレイできないってことですよね(笑)。

DaiGo:そうそうそうできない! 誰も後に続かない、消しとばすっていう(笑)。「誰もDaiGoが言ったあと返せないんだよ、だから会話が続かないんだよ!」って。

鈴木:協調性ゼロですからね(笑)。それがいいところですからね。

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