「銀行決済の24時間化は重要な成長戦略だ」 塩崎恭久・自民党政調会長代理に聞く
円の国際化にも一役
――議論の進捗状況は?
銀行の口座振り込みなどの24時間リアルタイム化については、党内の検討会議で銀行業界などからヒアリングをした。十分に話を聞き終えたわけではないが、銀行側の話では「これからニーズの有無を調べる」ということだった。
だが、私の考えとしては、個人や民間企業にニーズがあるかどうかで決定していくようなことではないと思う。たとえば金曜日の15時30分を過ぎてから振り込むと、おカネはその個人の口座から引き落とされるが、受取人の預金口座には翌週の月曜日にならないというのは、国民生活そのものの問題だ。
英国、スウェーデンなどはすでに24時間365日のリアルタイム決済を実現しており、シンガポールも今年3月に開始した。オーストラリア、米国も開始に向けた準備に入っている。ほかの国で次々と開始されているのに、なぜ、わが国にニーズがないと言えるのだろうか。
リアルタイム決済に関しては、もうひとつ論点がある。円の国際化だ。決済システムがきちんとできれば、円を海外の銀行口座へリアルタイムに振り込むことも期待できる。円が国際決済通貨として使われる余地が拡大するということだ。
円の国際化は国益の問題である。安全保障上の問題でもある。わが国の決済システムはきわめて優れており、手形小切手法とともに海外に輸出して、デファクトスタンダードを作っていったらいい、とわれわれは思っている。そのためにも、ほかの国に遅れをとったシステムであってはならない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら