荒川俊治 エス・バイ・エル社長--この会社の立て直しは俺しかできない
--精力的ですね
いまのところ自分で全部見ないと怖い。たまたま、ある本社の重要な会議に出たところ、ネット住宅に長期優良(の住宅装備)を標準化する、という議題が上がっていましたが、私は、ネット住宅に関してはオプションで良い、と拒否しました。ネット住宅部門の社員からは「ネットの生命は価格だが、仕様が変わるたびに値段が上がっていって、ネットの商品価格帯から逸脱していくような危惧を持っている」という声が上がっていました。ネット部門のの責任者も、「助かりました」と言ってくれました。現場のことが見えていない人がゴーを出す、決済してしまうところがまだあります。
エス・バイ・エルの現状の全社の年間戸建て住宅の販売棟数は1200棟(ネット住宅含む)、ネット住宅を除くフェース・トゥ・フェースの営業マンの数は282人、営業マン一人当たりの年間販売棟数は2棟となっている。荒川社長は5年後に営業マンを500人、1人当たり販売棟数を6棟、全社販売棟数3000棟に目標を掲げている。
--ネット住宅を伸ばす目標をたてているが、数字が伸びていない
積水ハウスではネットをやっていなかったので、ネットについてはもう少し勉強したい。1000棟と目標は前任者が立てた旗ですがすぐは下ろしません。まだ手掛けていないネットによる分譲住宅とか展示場にこられたお客で予算が合わない方があればネット住宅に誘導するとか、いろいろ考えはあります。どこまでネット住宅を増やせるか、いまはチャレンジしている最中です。
--5年で500人に営業マンを増強する計画ですが、外部から採用するのですか
外部からの中途採用が主になります。ただしエス・バイ・エルは社員が1062人もいて新築の営業マンが282人しかいない。どう考えても他メーカーと比べ少ない。400人くらいいてもおかしくない。管理部門や本社部門の人間が圧倒的に多い。組織改革で100人程度は間接部門から直接部門へのシフトは可能です。それと5年かけて、年間6棟づつ売れる営業マンに限定して、外部から人材を採用します。年間6棟の販売目標を上げていますが、これも適当に言っているのではありません。商品開発や販売の改革を提案をしたうえで、どれだけ売ってくれるか、と19支店の営業マンに聞いたところ、「アベレージで年間6棟は約束します」という声がでたのが、そのベースにあります。営業マン1人当たり年間6棟に営業マンの数の500人をかけたときに、全社の販売棟数は3000棟になります。個人(戸建て)住宅着工件数を30万棟としたときのシェアはちょうど1%です。