荒川俊治 エス・バイ・エル社長--この会社の立て直しは俺しかできない

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荒川俊治 エス・バイ・エル社長--この会社の立て直しは俺しかできない

木質系ハウスメーカー中堅のエス・バイ・エルは12月22日、臨時株主総会で正式に荒川俊治氏を社長に選任した。荒川氏は積水ハウスで30年以上、主に営業畑を歩み取締役常務執行役員を退任後、2008年4月に就任した積水ハウスグループの積和不動産関西の常務取締役を任期途中で辞職、今年9月にエス・バイ・エルの執行役員副社長に就いたばかり。メインバンク出身者を除けば外部からの社長招聘はエス・バイ・エルの歴史上初めて、同業ライバル他社の役員出身、副社長就任から在職3カ月、という短期間での社長就任と異例づくしの社長誕生は、住宅業界では注目を集めている。

エス・バイ・エルは2005年12月に野村證券系列の再建ファンドであるユニファイド・パートナーズの約96億円、40%相当の出資を受入れ、同社と二人三脚の経営再建に努力してきた。06年3月期に330億円もの巨額最終赤字を出した後は、小幅ながら営業黒字を出すまでに収益改善を果たしているものの、肝心の主力戸建て住宅の販売規模は縮小傾向から脱していない。住宅市場は08年までの年間100万戸着工から今年は80万戸時代に突入。戸建て住宅市場の縮小に加え、大手ハウスメーカーと、都市部を中心に低価格の分譲戸建て住宅で勢力を伸ばす新興パワービルダーとの挟撃で苦しい状況が予想される。

荒川新社長にエス・バイ・エルに招聘され社長就任に到った経緯や社内改革・経営立て直しへの抱負、実行プランなどを聞いた。
 
--入社、社長内定の経緯は?

3月に打診がありました。社長含みの正式オファー、というよりは、その時点では、こんな話がありますが、という程度のもので、サラッと話を聞いた程度です。その後、徐々に具体的な内容を聞かされるようになりました。何回か関係者とは会って、この会社でやろう、と思うようになってから条件を出しました。33年半もいた積水ハウスグループに対して、いきなり私から先に辞表を出し、エス・バイ・エルに異動するのは礼に反する、と思ったので、本気ならば和田勇(積水ハウス)会長に直接会って頼んでくれ、と言いました。辞めるにしても積水ハウスや入社以来長い間上司だった和田会長には礼を尽くしたかったのです。そういうプロセスなしでは転職はできません。

積水ハウスの和田勇会長には、心情つづった手紙で礼尽くす

--和田会長とは話をしたのですか

私が腹を決めるのとほぼ同じ8月10日ごろに「荒川さんをいただきたい」と関係者が和田会長に申し入れました。和田会長はイエスともノーとも言わなかった、と聞いています。その後、和田会長から私には話はありませんでした。

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