「遊びの時間が足りない子」の結構残念な行く末 子どもでいられる時間の重要な意味と意義
ノーベル賞受賞者ががらくた置き場でしていたこと
子どもの感情を整えるのに役立つ重要な外部の要因として、人生にどのくらいの「スペース(余地)」を作ってやるか、がある。子どもには、宿題やさまざまな活動で分刻みの予定に追われてすべての時間を奪われることなく、「子どもでいられる時間」が絶対に必要だ。
たいていの場合、子どもは友人関係や自発的な遊び、自由時間を通じて感情を整えるスキルを発達させる。そういう経験のなかで、好奇心や想像力を豊かにする機会を得る。
予定を詰め込みすぎなければ、家族や友人と過ごす時間が増えて、人間関係をめぐる大切なことも学べる。退屈だって、成長と学びの重要なきっかけになる。親は子どもの学業をひどく心配するが、夏休み中お決まりの「暇だなあ」という不平が聞こえたら、この天才たちのことを思い出してほしい。
ノーベル賞を受賞した物理学者リチャード・ファインマンについて、14歳のころ彼の友人だった女性から、素晴らしい話を聞いた。彼に知恵を借りる機会があったとき、女性は「どうしてそんなに頭がよくなったの?」と尋ねた。
ファインマンは「単純な話だ」と答えた。4歳のころから、両親は基本的にリチャードを家の外に締め出していた。家の裏は、がらくた置き場だった。幼いファインマンは、捨てられた機械やモーターをいじくり回し、ついには時計を修理し始めた。完全な退屈さと、することを見つける必要性が、ありとあらゆる思考の挑戦と知能の発達につながり、ついにはこの数十年で指折りの優秀な頭脳を生み出した。