面接担当もうんざり「残念な就活生」の類似点 「働き方」ばかり気にする学生はマイナス評価

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「○○をやりたい」という学生のなかには、それ以外はやりたくないと言う者がいる。組織や社会は、いろんな役割の人間によって成立していることを理解していないのだ。

ワークライフバランスでも同じことが言える。働き方改革を論じ、「残業はしません」と明言する学生もいる。こういう学生を採用すると職場でトラブルが起きる。トラブルの種になる学生をわざわざ採用する人事はいない。

就活でまずやるべきことは「自己分析」だ。誰でも「やりたい」という希望や、「ほしい」という願望、「なりたい」という意欲を持っているだろう。だが、そんな自己実現の夢を持っているからと言っても、そのままでは単なる妄想である。妄想に根拠を与えるのが自己分析だ。

「好きこそ物の上手なれ」ということわざがある。好きになることが上達の秘訣だ、という意味だ。しかし、すべてのことわざには例外がある。絵が好きだが、下手な人がいる。走るのは速いが、熱中できないタイプの人間もいる。そういう自分の得手不得手、好き嫌いを理解するのが「自己分析」だ。自己分析に基づく志望動機はぶれない。

実際には、ふらついたままの状態で面接に臨む学生もいる。こういう弱さは話しているとすぐにあらわになる。このようなミスを避けるためにキャリアセンターがある。コロナ禍によって構内立ち入りが制限されている大学が多いだろうが、メールやオンラインで相談を受け付けているキャリアセンターは多い。面接の前にぜひ相談してほしい。

「就労観が明確でない(どんな仕事、キャリアを築きたいかのイメージがない)。企業、仕事の理解が低い。複数内定取得後の企業選択の基準が、人や福利厚生などだけで、仕事軸ではない」(1001人以上・商社・流通)

「面接を受けに来る下準備が圧倒的に不足している学生。試しに受けるというのはある程度仕方ないにせよ、基本的な会社情報すら頭に入っていない学生には怒りを覚える」(300人以下・商社・流通)

やる気、覇気、意欲がない

昨今のキャリアセンターは至れり尽くせりの就職支援活動をしている。疑似面接も行っているので学生は面接に慣れていてもおかしくないが、「学生に元気がない」と嘆く面接官は多い。いろんな言葉がある。やる気、覇気、熱意、意欲、元気がなく、おとなしい。落とされる学生はこういう言葉で形容されている。

こういうマイナス評価を避けるために話法を身に付けよう。営業の基本トークに「応酬話法」がある。Webで検索すれば解説を読める。話し方の理論を知ることができる。理論を読むだけでは話せないから、キャリアセンターを利用し、あるいは友だちに協力してもらって練習するといい。オンライン面接の練習にもなるだろう。

「やる気が感じられない。人の話を聞いていない」(1001人以上・運輸)

「熱意に欠ける」(301~1000人・メーカー)

「おとなしく、反応、喜怒哀楽がない」(301~1000人・サービス)

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