【鎌田浩毅氏・講演】一生モノの勉強法(前編)

アカデミーヒルズ「『一生モノの勉強法』実践講座」より
講師:鎌田浩毅

●なぜ、「一生モノの勉強法」なのか

 ここに立つ講師の方で、こういう格好の人間はいないのではないかと思うのですが……、これもきちんと理屈があるので、追って申し上げます。私は火山学者で、地球科学が専門です。皆さん、高校で地学を習った方もいらっしゃるでしょう。日本は地震国、そして火山国です。東京の方は、首都直下型地震を心配していると思います。それから火山の噴火。富士山が活火山だと知っていますか?
 富士山は300年前に大噴火し、江戸時代の東京に5cmの火山灰が降りました。再び噴火は必ず起こります。実際に起きたらたいへんな災害になります。それらを研究して、皆さんに伝えるという仕事をしています。しかし、多くの人はあまり地球科学に関心がないようです。経済や政治、選挙がどうだなどと言うとたくさんの人が集まるのですが、「地球科学? 何それ?」みたいな感じで。しかし、東京に住んでいるからには、地震や火山噴火のことをきちんと知っていなければいけません。

 では、関心のないことをわかってもらうためには、どうしたらいいか。そこでファッションから始めたのです。京大に来た頃は、私もグレーの背広に紺のネクタイでした。しかし、あるとき授業の後にパーティがあるということで、今ほど派手ではないですが、パーティ用の格好をしていったのです。すると、学生の食いつきが全然違いました。つかみが大事と言いますが、ファッションは人の関心を引くには大事だとわかったのです。
 それから授業ごとに服を替えるようになりました。イタリアモード、フランスモードとさまざまなスタイルで、最近は地球科学ではなくファッションを見に来る学生もいるほどです。そしてついでに地球科学も聞いて帰ろうかと。きっかけは何でもかまわないのです。最終的に地球科学を理解して、地震のことを理解して、それで自分の身を守ってもらえれば。
 それ以降、講演会のときにもいつもこういう派手な格好です。皆さんのギョッとする顔見たさに、いつも服を替えています。ちなみに、これら服のために僕のボーナスは全部消えます。でも、それも教育上、地球科学を伝える意味があると思っているので、投資しているわけです。やはり投資をしないとリターンはありませんので。さて、こういった話をしていると時間が終わってしまいます。ちょっとまじめな話をしていきましょう。

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