自粛中の今こそ「遺言書」を記すべき納得の理由 大切な人を"争族"に巻き込まない50代の鉄則
「遺言」と「遺書」を混同していると損をする
なぜ日本では遺言が忌避されるのか――。私が相続・資産承継などを専門分野として活動する税理士として、これまで多くのお客さまと携わってきた中で得た答えは、多くの人が「遺言書」と「遺書」を混同しているということです。
私が「遺言を書くべきです」と申しますと、「おいおい、まだ俺を殺すなよ」という方は結構多いものです。社会的責任のある立場の人でさえ、そうした根深いイメージを持っていることに驚かされます。
「遺書」とは、死を覚悟した人が死後のために書き残す文書と定義され、法的な効果はいっさいありません。感情的なことや葬儀についてのお願いを書くものです。
対する「遺言書」とは、自分が死亡したときに財産をどのように分配するかについて自分の意思を表明するものであり、民法の要件を満たす遺言書は法的な効力を発揮します。遺言がある場合には、原則として、遺言者の意思に従った財産の分配がされ、遺言の中で示しておけば、相続人以外の人へ財産を譲ることもできます。渡したくない人に渡さないことも可能です。


















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