「相続」親が亡くなる前に知っておきたい超基本 相続問題に詳しい行政書士が徹底解説!
自分の遺す財産をうまく使って、残された家族が仲良く、幸せに暮らしていけるように──そんな想いの込められた遺言書を作っていただきたいと思います。しかし、現実にはなかなかそううまくいきません。
遺言書の形式に不備があって遺言書自体が無効になったり、遺言内容に問題があったりすると「相続」が「争族(あらそうぞく・遺産相続などをめぐって親族が争うことを意味する)」になってしまうことがあります。このような、もめる遺言書を書いてしまう人に共通して欠けているのは、相続の基礎知識です。
もめない遺言書を書くためには、相続の基本を知らなければなりません。そこで、まずは相続の基本について知っておきましょう。
「相続」の基本知識
相続とは、被相続人(亡くなった人)の家や土地、銀行の預金などの財産を引き継ぐことを言います。この財産を相続財産(遺産)と言い、引き継ぐ人のことを相続人と言います。
終戦直後の1947(昭和22)年5月2日までは、被相続人の長男がすべてを引き継ぐのが一般的でしたが、法律が変わり、今では被相続人の長男に限らず、すべての子ども、配偶者、家族状況によっては親、兄弟なども相続することができます。
相続を知るうえで最も重要なことは、遺産を相続できる人(法定相続人)が誰なのかを知ることです。
被相続人の財産を相続することができる人のことを「法定相続人」と言います。法定相続人は被相続人との家族関係によって決まります。
被相続人に子どもがいるときは子どもが相続人(図左)です。
子どもがいない人は被相続人の親が相続人(図右)です。子どもも親もいない場合は被相続人の兄弟が相続人になります。配偶者は子どもや親、兄弟などと一緒に被相続人の財産を相続することができます。