ゴルフ場「休業要請」対象外でも手探り続く実情 緊急事態宣言後、2週間過ぎたゴルフ業界の今

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先輩B:屋外でもいつも行く練習場は休業している。3月まではけっこう人も多かった。感染者が出るとまずいということだろう。都内最大級の練習場も来場者が多く、感染リスクが高くなって休業に踏み切った。

筆者A:特にインドア練習場はつらいですよね。レッスンプロは、インドアを使っている人も多いので大変だと思います。

――緊急事態宣言による影響は、休業要請の有無で分かれているゴルフ場、練習場に限ったことではない。その中でも、ゴルフショップ、小売店への影響はゴルフ場などよりも大きい。

矢野経済研究所が調査している速報性の高い全国のゴルフ用品小売店約500店舗の実売の週報データを見ると、緊急事態宣言後の小売店の悲鳴が聞こえてくる気がする。同研究所では7カテゴリー(ウッド、アイアン、パター、ラウンドボール、ゴルフシューズ、キャディーバッグ、ゴルフグローブ)で販売数量の推移を調査している。

2月まで好調だったゴルフ市場も3月以降は苦戦続く

最新の2020年第15週(4月13~19日)の前年同週比(日にちはずれる)で、たとえばウッドの場合1万2119本で52.7%、など軒並み約5割減、ボールに至っては37万2524個で42.3%と約6割減になっている。

2月までは暖冬の影響もあって前年を上回っていたが、3月に入ってからずっと右肩下がりが続いている。まさにコロナ禍の影響をもろにかぶっている。

同研究所スポーツ事業部の三石茂樹氏は「調査対象の店が緊急事態宣言後に時短営業及び営業自粛(臨時休業)している影響もありますが、週を追うごとに市況が厳しくなっています。当初は楽観的だったゴルファーの中にも自粛ムードが漂ってきているのでは。今後はコロナ禍の終息後を見据えて、こうしたファクトデータを踏まえたうえで、ゴルファーのため何ができるのかをポジティブに考えていくのが必要ではと思います」と、話している。

春のゴルフシーズン。例年なら、ゴルフ場も練習場も、レッスンも用品も、書き入れ時のはず。多くの業種同様、緊急事態宣言によってゴルフ業界にも影響が拡大している。

赤坂 厚 スポーツライター

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あかさか あつし / Atsushi Akasaka

1982年日刊スポーツ新聞社に入社し、同年からゴルフを担当。AON全盛期、岡本綾子のアメリカ女子ツアーなどを取材。カルガリー冬季五輪、プロ野球巨人、バルセロナ五輪、大相撲などを担当後、社会部でオウム事件などを取材。文化社会部、スポーツ部、東北支社でデスク、2012年に同新聞社を退社。著書に『ゴルフが消える日 至高のスポーツは「贅沢」「接待」から脱却できるか』(中央公論新社)。

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