「ニュー」で「ハーフ」な時代をどう生き延びるか《それゆけ!カナモリさん》

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■バリューラインを超えろ

 好調な商品を見ても、しっかり「ニューノーマル」対応している。分りやすいのが、今さらながら「餃子の王将」だろうか。

「人気のファミレス、ベスト3は「サイゼリヤ」「餃子の王将」そして……」(Garbagenews.com2009年12月01日)

マイボイスコムのネット調査の結果。1位は「ガスト」。ただし、「最もよく利用する」以上に「今年利用が増えた」の対比では、俄然「餃子の王将」の伸びが目立つ。

価格と価値が正比例した関係を「バリューライン」という。「安かろう・悪かろう」から「高くて・いいもの」の関係だ。「ニューノーマル」になった消費者の支持を集めるなら、そのバリューラインを超えなくてはならない。「王将」は価格が安くて、味は最高ではないものの結構イケルという、典型的な「グッドバリュー戦略」だ。ガストは「安いなり」の「エコノミー戦略」であくまでバリューライン上である。ゆえに、現状、「最もよく行く」店ではあるが、「今年利用が増えた」の割合が低くなっている。

■代替されない商品をメインに

 「ニューノーマル」な暮らしの中では、当然消費をおさえられるところは切り捨てる。もしくは代替される。例えば、なにげなく毎日買って飲んでいるペットボトルの飲料。ミネラルウオーターなら100~120円ぐらい。お茶や清涼飲料なら150円が相場だ。1日1~2本買っているとして、日数をかけると、馬鹿にならない金額になることに、みんな気付いている。だから、水は水道水を浄水してマイボトルに入れる。お茶は茶葉やティーバックで淹れる。その結果が、ミネラルウオーター市場前年比6.1%減というデータに表れている。

『勝ち組「ゼロ飲料」、負け組「ミネラルウオーター」--2009年飲料市場)』(Business Media 誠12月3日)

「ゼロ飲料」はオイシイ(甘い)炭酸なのにゼロカロリーという理由で、今までカロリーを気にして茶系飲料を飲んでいた人を取り込んで成長した。その後押しもあるのだろうが、炭酸飲料市場が5.4%増と今も買われているのは、そもそも「炭酸は自分で作れないから」だろう。

 

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