■早晩「縮む」運命だったのは確か
「冗談じゃない」と言いたいところであるが、それが現実である。さらに考えれば、日本市場は少子高齢化で確実に「縮む」市場だ。今年の東京モーターショーで海外勢が3社しか出展せず、こぞって中国に行ってしまった寂しさを考えれば、放っておいても「ハーフ」になったのは想像に難くない。自動車関連の寂しさ加減は枚挙にいとまがないけれど、こんな動きもあった。
「現代自、中国に新工場 日本では乗用車販売から撤退」(日経ネット2009年11月28日)
01年の参入以来不振が続く日本の乗用車販売からは撤退するという。確かに現代のクルマは売れてなかったと思うけど、それ以上に日本市場がオイシクナイのだろう。
少し日にちを遡るとこんなことを言っている人もいる。
『「日本は普通の市場になった」ルイ・ヴィトンCEOに聞く』(日経ビジネスオンライン2009年11月25日)
これまでの日本は世界の流れとは一線を画した少し特殊な市場だった。ルイ・ヴィトンに関しても日本の店舗は客数が多すぎたと言えるほどだ。日本もようやく普通の高級品市場になったということだろうという。昨年末に銀座への出店を早々に断念して、その代わりにGAPが入店することになったというニュースも記憶に新しい。
その銀座も、昨秋のH&M銀座店の大行列に始まり、ユニクロの大規模増床と、「高級ブランドの街」からすっかり「身の丈の街」に変身しているのである。まさにこの二つのキーワードを象徴するような街になりつつある。
つまり、「ハーフエコノミー」は恒常化して、生活者が「身の丈消費」を身に付けた「ニューノーマル」になり、それに対応できる企業だけが生き残れる。そんな構図が既に出来上がりつつあるのであるではないか。
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