「ニュー」で「ハーフ」な時代をどう生き延びるか《それゆけ!カナモリさん》

 

■新たな価値で自社に取り込め

 「代替されない」以外のキーワードを考えるなら、「新たな価値創造」だろう。

日経MJヒット商品番付にも登場し、以前このコラム上で「イケメン四天王が狙うのは誰だ?」と紹介した「資生堂UNO FOG BAR」。

『“ポストワックス”狙う「ウーノ フォグバー」登場、ヘアスタイリング剤の勝者は?』(日経トレンディネット2009年11月19日)

妻夫木聡、小栗旬など豪華「イケメン四天王」のCMもさることながら、ワックスのベタベタさをなくした商品は画期的。発売2週間で200万本を出荷したという。その良さは使えば分かる。新開発した水溶性の整髪成分が配合されており、髪一本一本を互いに吸い付かせていて、髪の毛を束に固めないので、何度でも手直しできるのが特徴、霧状なので髪全体に均等にスプレーでき、ワックスの弱点であるべたつき感や重さ、洗髪のしにくさをカバーしたといいことずくめである。

ただし、ワックスほど強力じゃない。髪を大胆に「盛」ったり、「エアリー」(古いか?)にしたりはちょっとしにくい。ナチュラルっぽくなる。そのお手本のヘアスタイルを、CMで「イケメン四天王」がやっているのだ。つまり、スタイル提案をしつつ、新たな価値を訴求している。

■「反動的需要」を取り込め!

 何事も行きすぎると「反動」が出る。健康ブームやメタボ撲滅。さらには昼食費の削減と、「食」はどんどん地味になっていく。でも、それも「ハーフ」だし「ニューノーマル」としては致し方ない。と、思えない人もしっかりいるのだ。

「1食1800kcal越えも!“あぶら料理専門”レシピ本発売)」(東京ウォーカー11月27日)

本の中身は、「ガーリック&バターしょうゆステーキon the ライス」や「満腹マヨ玉ツナグラタン」、「ミックスフライソースカツ丼」に「羽付きラード餃子」など、全ページ、バターやラード、マヨネーズ、生クリームなどをた~っぷりと使った“高カロリーメニュー”が並ぶという。

需要があるから、本にまでなる。例えば、都内では「全席喫煙可」の喫茶店などが人気を集めているのも一例だ。マイノリティー需要を取り込むことも、この時代の生き残りには重要である。

実は今回のネタは、ここ1週間の間にネット上に掲載された記事を集めたものだ。それを、「ハーフエコノミー」と「ニューノーマル」というフィルターで見たのである。売れる商品、顧客が集まる商売は、きちんと時流をとらえている。今回紹介した例はほんの一部にすぎないが、「ハーフ」を前提にした「ニューノーマル」な戦略が求められているのは、間違いない。

《プロフィール》
金森努(かなもり・つとむ)
東洋大学経営法学科卒。大手コールセンターに入社。本当の「顧客の生の声」に触れ、マーケティング・コミュニケーションの世界に魅了されてこの道18年。コンサルティング事務所、大手広告代理店ダイレクトマーケティング関連会社を経て、2005年独立起業。青山学院大学経済学部非常勤講師としてベンチャー・マーケティング論も担当。
共著書「CS経営のための電話活用術」(誠文堂新光社)「思考停止企業」(ダイヤモンド社)。
「日経BizPlus」などのウェブサイト・「販促会議」など雑誌への連載、講演・各メディアへの出演多数。一貫してマーケティングにおける「顧客視点」の重要性を説く。
◆この記事は、「GLOBIS.JP」に2009年12月11日に掲載された記事を、東洋経済オンラインの読者向けに再構成したものです。

 

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