■打倒スタバ!?マック新メニューの登場
日本マクドナルドがついに、カフェ市場の完全制圧に乗り出した。ファストフードの強大なるコスト・リーダーの本格進出は、この後のさらなる大胆な展開も予感させる。11月3日。東京ウォーカーは「スタバに対抗?マックが「カフェモカ」などコーヒーメニューを強化!」と題した記事を掲載した。他のメディアでも、マクドナルドのカフェメニュー強化は大きく取り上げられている。
今回は、カフェラテ、キャラメルラテ、カフェモカ、カプチーノなどの、より「カフェらしい」メニューを投入しただけでなく、「マックカフェ」という新ブランドとして販売していることが大きな特徴である。
このブランドネーム。日本マクドナルドとしての壮絶なリターンマッチへの決意を表わしている。ご記憶の方も多いと思うが、「マックカフェ」は元々は単なる商品ブランド名ではない。マクドナルドの新業態・カフェ店舗として1998年にスタートした店舗ブランド名である。
その1度目のチャレンジは店舗を矢継ぎ早に展開したものの、翌年撤退。2度目のチャレンジは2007年に同名の店舗を複数展開したが、翌年から縮小を余儀なくされ、現在、同社のWebサイトにはその形跡を示すものすら残されていない。
GLOBIS.JP上でも小西賢明氏の記事「お客様を想え。Vol.3 マクドナルド--ターゲットの見えないマックカフェ」が2008年2月に掲載され、小西氏は「ターゲットが曖昧すぎる」「顧客不在のまま自己都合でビジネスを描いている」と批判しながらも、「マクドナルドの底力をすれば、きっと次はやってくれるはず」とエールを送っていた。
その次が、来た。それも、ドでかいインパクトで。
下地作りは昨年2月から始まった。新業態店ではなく、既存店舗でのカフェメニュー拡充という方向性に舵を切った。既にその前に顧客から評判の悪かったコーヒーを、ホット、アイスともに「プレミアムローストコーヒー」化して100円(現在は120円)で提供し、無料キャンペーンを何度も実施。「マックのコーヒーは安くてうまい」とのイメージを完全に植え付けた。
そして、3度目の挑戦。新業態店ではなく、本体メニューへ全面的にカフェメニューを組み込んだ。もはや失敗が許されない最後のリターンマッチ。その勝算はどれほどのものだろうか。
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