新型コロナウイルスの感染拡大が世界中で社会・経済に大きな影響を与えています。こうした「コロナショック」とも呼ばれる現状を受けて、アメリカのメガテック企業は各社とも大胆な動きをみせています。
中でも注目を集めているのが、グーグルです。グーグルは検索やネットワークインフラの強化、位置情報の利活用といった事業の中核から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)へ対応し、アメリカ内外で存在感を増しています。
本稿では、グーグル・アメリカ本社の英文コーポレートサイトや新型コロナウイルス対策サイトの情報などを中心にグーグルのコロナウイルス対策の全貌を分析していきます。
グーグルの8億ドル以上にもおよぶコロナ対策
グーグルの新型コロナウイルス対策や取り組みの全体像を知るには、グーグルが公開する3つのウェブサイトを見る必要があります。
1つ目は、グーグルのコーポレートブログです。2つ目は、新たに開設された新型コロナウイルス対策に関する総合情報サイト『COVID-19 情報とリソース』です。そして3つ目は、グーグルがもつ位置情報をもとに作成された『COVID-19 コミュニティモビリティレポート』のサイトです。それぞれ解説していきましょう。
まず、グーグルのコーポレートブログです。本来同ブログにはグーグルの事業や活動に関するさまざまな情報が載せられていますが、直近ではやはりコロナ対策関連のものが中心となっています。いくつか直近の代表的なものを紹介したいと思います。
3月16日、グーグルは、従業員や取引事業者に対してリモートワークを促すことやその具体的な方法を発表しました。21日には、『人々をCOVID-19の情報とリソースへつなぐ』と題したブログにおいて、グーグルの情報の取り扱いについての施策を発表しました。そこには、新型コロナウイルスに関連する世界の検索動向レポートも載せられています。
施策には、WHOの安全情報や地域の医療サービス情報へのアクセス向上といった取り組みが記載されています。コロナショックについての総合情報サイトである『COVID-19 情報とリソース』の立ち上げも、ここで紹介されています。3月26日には、会社や学校がリモート環境になることによって増えるネットワークの負荷に備えて、ネットワークインフラの強化を発表しています。
さらに3月27日には、グーグルが医療従事者などのサポートを目的に、8億ドル(約870億円)以上にもおよぶ支援策を実行することが、サンダー・ピチャイCEOから発表されました。それには、WHOや政府などへの無料広告枠、中小企業の救済ファンド、グーグルクラウドを利用した治療法やワクチン研究への支援も含まれています。4月2日には、新型コロナウイルスに関するデマを防止する策として、情報の真偽をチェックする非営利団体に650万ドル(約7億円)を提供することも明らかにされています。
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