4年間「不登校の双子」が学童保育で掴んだ宝物

「双子の成長を支えた」ある女性指導員の尽力

4年間、不登校だった双子の兄弟のシンとケン。2人が学童保育で得た「宝物」とは?(写真:freeangle / PIXTA)

3月29日正午、大阪市内の住宅街の公園。花冷えのなか30組近い親子が集まり、距離を取りながら大きな人の輪を作っていた。輪の中には、4月から中学生になる双子のシン君とケン君の姿があった。「おめでとう!」の声が四方八方からかかる。2人は、学童保育所の卒所証書を照れながら受け取っていた。

この日の午前中、シン君とケン君は学童保育所の卒所式に臨んでいた。

学童保育には年間を通していくつもの行事があるが、卒所式はそのなかでも大切な行事のひとつ。参加するのは、卒所生とその保護者、学童保育指導員だけではない。下級生の子どもたちとその保護者がみな集まって門出を祝う。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、全国各地の学童保育所では規模を縮小しての実施や中止を余儀なくされた。

公園で卒業する2人を迎える下級生たち

シン君とケン君の通う学童でも、6年生以外の子どもたちの参加は限定し、保護者も6年生のみだった。ところが下級生の保護者たちから声があがった。「卒所式に参加できないのは残念だが、おめでとう!と伝えたい。公園で卒所式が終わるのを待とう」。そこで学童内で式を行った後、公園で卒所証書を授与することになった。

学童保育の卒所証書に、「以下同文」はない。子どもたちの成長を近くで見守り続けた指導員が、子どもたちと過ごした時間に思いを馳せ、書き上げるからだ。卒所生は、世界に1枚しかない証書を受け取る。

シン君には、「けん玉やコマなど、何でもこつこつ取り組んで」いたこと、葛藤したり悔しい気持ちを味わいながらも「仲間の存在の大きさ」を知っていった様子が記され、ケン君には、「自分のやりたいことを見つけ、努力する姿はまるで職人」のようだったこと、仲間の気持ちが理解できず戸惑うこともあったがその経験から「寂しい思いをしている仲間の一番の理解者」となっていたことが書かれていた。

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